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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2008年10月23日配信)

第50回 『保険適応となったニキビ治療薬アダパレン(3)』

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 まず最初にご連絡です。ニキビの外用治療剤『アダパレン:商品名 ディフェリン ゲル』(以下 DG)の発売が早まりました。

 11月以降の発売が予定されていたようですが、10月21日(火)に前倒しで発売となりました。このメルマガが配信される頃には、皮膚科でも処方可能となります。
 但し、実際に処方するかは、個々の皮膚科の先生の判断によりますので、注意が必要です。
(診療の妨げにならない程度に、節度を持って、電話などで問い合わせることは大丈夫と思います。)

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を18年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 本題に入る前に、ジャン・フランソワ・ミレー(1814ー1875)の名画『落ち穂拾い』(1857年)オルセー美術館所蔵をご覧下さい。
http://www1.megaegg.ne.jp/~summy/gallery/glaneuses.html

 このメルマガではこれまで2回に渡って、保険適用となり、一般の皮膚科でも処方可能となったニキビの外用治療剤『アダパレン:商品名 ディフェリン ゲル』(以下 DG)について、お話させていただきました。

 初回は、薬の特長や効果を発揮するメカニズムに関して、前回は、実際の使用方法等について解説させていただきました。

 今回は、更に情報収集に努め、価格や実際の使用感、副作用対策等について解説して〆とさせていただきます。

(量・価格・保存法について)

 まず、価格です。1本15g 入りで、約1、770円 です。診察料等も含め、DG1本のみ処方されたとして、2千円位でおつりがくる位の自己負担ではないかと思います。(院内処方や院外処方の別により負担が変わります。)

 1gで顔全体に塗ることができる量を設定しているとのことですので、1本で2週間は楽にもつと思います。開封後は、常温保存で少なくとも数ヶ月は品質が維持できる様です。

(使用感・使用上の注意について)

 手元にサンプルが届きました。数日間、試しに顔に塗ってみました。使用感は、ゲルの伸びが良く、私の場合は特に問題ありませんでした。でも塗り続けるに従って、少しカサカサしてきている様です。

 実際に塗るのは就寝前ですが、塗り忘れることがあると思います。
『前日に塗り忘れた場合でも、用法・用量どおり就寝前に使用して下さい。1日に2回塗ったり、1回に2回分を塗ったりしないで下さい。』
 これは大切です。

 指で塗ると指が乾燥しますので、『塗った後は必ず手を洗って下さい。』 綿棒で塗るというのがいいかもしれませんね。

 これからは、冬の乾燥時期となりますので、特に、敏感肌の方や乾燥肌の方は、注意が必要と思われます。

(乾燥対策等について)

 乾燥症状は必発と言えますが、乾燥対策を以下に述べます。乾燥などを防ぐためには、保湿力の高い化粧品などの使用が不可欠です。

 使用法としては、
『化粧水や乳液などを使用して肌になじませた後、DGを塗って下さい。』

 当研究所の製品の場合ですと、ローション→美容液→DGの順番となります。メーカーの説明では、乾燥症状がでても3ヶ月塗り続けることが重要とのことです。
 『3ヶ月使用を継続するためには、乾燥対策が最大のカギ』と言っても過言ではありません。

 それから、『DGを塗った後、メイクアップをする場合、ある程度時間を置いた方が良いのか?』という疑問が出てきます。

 それについては、
『DGは5分後に毛包に分布し、2時間貯留します。どうしてもメイク前に塗る場合は、できれば、DGを塗った後、5分程なじませて(=毛包に浸透させて)から、メイクする方法が良い。』
とのことです。

 以上、問題となりそうな所をピックアップしてみました。

 今回のポイントは以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その34」

【保険適応となったニキビ治療薬アダパレン(3)』】

 
  • •ニキビの外用治療剤『アダパレン』、商品名『ディフェリンゲル0.1%』(以下DG)が保険適用となり、10月21日には、一般の皮膚科でも処方可能となりました。
  •  
  • •ニキビでは、『微小面皰』から『閉鎖性面皰』へと進展し、『開放性面皰』を生じたり、さらに、炎症が起こり、『紅色丘疹(赤ニキビ)』や『膿疱』などの『炎症性皮疹』へと到ります。
  • •『DG』は、皮膚の表皮に存在するレチノイン酸レセプターに選択的に結合し、毛包上皮細胞の角化を制御するため、『面皰』の形成を抑制し、『炎症性皮疹』への進行を防ぎます。
  • •『DG』はいわば、『ニキビの根元を断つ』という薬です。
  • •『DG』には、副作用もあり、以下の特長を良く理解した上で、慎重に使用することが大切です。
  • •(効能・効果)
    顔面の尋常性ざ瘡(普通のニキビ)にのみ使用します。
  •    
  • •(用法・用量)
    1日1回就寝前、洗顔後、水分を拭き取り、顔面のニキビが発現している部位に適量を塗布します。
  •  
  • •(使用上の注意)
    1)『DG』は、外用開始後2週間以内に、皮膚乾燥、皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、そう痒症などの皮膚刺激感を生じることがあります。
    2)副作用は、通常、軽度で一過性ですが、発生後、継続使用中に消失又は軽減しない場合は、休薬や使用中止が必要です。
    3)他の刺激性のある外用剤(イオウ、レゾルシン、サリチル酸を含む薬剤、乾燥作用が強い石鹸や化粧品、ピーリング剤等)との併用の際には、皮膚刺激感を増すおそれがあるため注意が必要です。
  •  
  • •(妊婦、産婦、授乳婦等への使用)
    1)妊婦又は妊娠の可能性のある女性に対しては使用できません。
    2)授乳中の婦人には、使用しないことが望ましいですが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けることが必要です。
    3)小児への使用
      [12歳未満の小児に対する安全性は確立されていません。]
    4)国内において、36歳以上の患者に対する使用経験がありません。
      (12歳~35歳までの男女が保険適用となるようです。)
  •  
  • •(量・価格・保存法について)
    1)1本15g 入りで、約1、770円 です。(2週間分)
    2)診察料等も含め、DG1本のみ処方されたとして、2千円位でおつりがくる位の自己負担です。(院内処方や院外処方の別により負担が変わります。)
    3)開封後は、常温保存で少なくとも数ヶ月は品質が維持できます。
  •  
  • •(使用上の注意について 追加)
    1)前日に塗り忘れた場合でも、用法・用量どおり就寝前に使用して下さい。1日に2回塗ったり、1回に2回分を塗ったりしないで下さい。
    2)指で塗ると指が乾燥します。塗った後は必ず手を洗って下さい。(綿棒で塗るのがいいかもしれません。)
  •  
  • •(乾燥対策について)
    1)これからは、冬の乾燥時期となりますので、特に、敏感肌の方や乾燥肌の方は、注意が必要と思われます。
    2)乾燥などを防ぐためには、保湿力の高い化粧品などの使用が不可欠です。
    3)化粧水や乳液などを使用して肌になじませた後、DGを塗ります。
    4)当研究所の製品の場合、ローション→美容液→DGの順番です。
    5)乾燥症状がでても3ヶ月塗り続けることが重要とのことで、『3ヶ月使用を継続するためには、乾燥対策が最大のカギ』と言っても過言ではありません。
    6)DGを塗った後、メイクアップをする場合、DGを塗った後、5分程なじませて(=毛包に浸透させて)から、メイクする方法が勧められます。
 

 保険適用となったニキビ治療薬『アダパレン』、商品名『ディフェリンゲル0.1%』(DG)について、3回に渡って解説しました。
 発売が前倒しになるなど、ドタバタしてしまいましたが、この薬の登場は、ニキビの保険診療にとっては大きな朗報です。B  このコラムが、これからDGを使用になられるニキビ患者さんにとり、良き指針となれば幸いです。

 次回は、第47回のコラムでとり上げた、『年齢不詳化プロジェクト』のその後について、お話させていただく予定です。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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