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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2022年8月20日配信)

第216回 『「 腸 活 」で「ニキビ改善」 〜(46)オリーブオイルで腸の運動を促して「 ニキビ改善 」(1)〜 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

この夏。
重い腰を上げて行ったのが札幌市の『北海道知事公館』のあたりです。

『北海道立近代美術館』『北海道立三岸好太郎美術館』が近隣に立ち並ぶ、
なかなかハイソな地域です。

母校の札幌医大から徒歩15分くらいのところにあり、
行こうと思えばいつでも行ける場所です。
でも美術鑑賞や散策する趣味がないとなかなか行くことのないところです。

では、なぜ行きたくなったのか?

話は30年以上前に遡ります。

実は学生時代の家庭教師先が、
『知事公館』と隣接する『副知事公邸』など数件が立っている場所
だったからです。

最近、新聞やテレビで
この辺りの取り壊しや再生計画が話題になっていることを知り、
https://www.tokachi-media.com/content/879
取り壊される前に一度行きたくなったのです。

学生課から紹介を受けた当時医学部上級学年の私は、
道の要職の方の高校生の息子さんの家庭教師を
担当させていただくことになりました。
月に2回程度、夏は自転車、冬は徒歩でこの場所に通っていました。

地下鉄駅から徒歩でこの近辺に到着した時、
現在は老朽化で使用されていない『公邸』がどこなのか
全くわかりませんでした。
周りがすっかり変化していたためです。

でも、高い塀で囲まれた赤れんが色の建物を見つけた時、
私の脳裏に昔の光景が蘇りました。

https://www.tokachi-media.com/content/876

当時、公邸の灯りは遠くからでも吹雪の中でもはっきりと見えました。
チャイムを押して中に入ると、
高い天井と毛足の長い絨毯で敷き詰めれられた明るい玄関ホールは
別世界の入口のように感じられました。

地方出身で緊張気味の私に対して、
公邸の主人である夫妻や息子さんは気さくに話しかけてくださり、
息子さんは努力の甲斐あって志望校に合格することができました。

現在、56歳となった私。
こうして33年前の思い出を振り返ることができるのは
本当に『幸運』で有難いことです。
もう感謝しかありません。

『「幸運」は用意された心のみに宿る』
フランスの細菌学者ルイ・パスツールの言葉です。
昔から手帳に記して時々見ていた言葉です。

自分は『幸運』であると思い込んで人生を歩むのは大切なことです。

『幸運』であると思っていれば
希望をもっていろいろなことにチャレンジできます。
気持ちの持ちようが思わぬ収穫をもたらすことも多いです。
一生懸命『ニキビ治療』に取り組んでいても
一進一退で結果が出ない時があります。
次々問題が発生してつらい時もあります。

自分は『幸運』であるとの思い込みが問題解決につながる ことがあります。

本当に微力ながらこのコラムを読むことが
ニキビ改善という『幸運』につながれば最高だなと考えています。
私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 32年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。
 「ニキビ改善」という「幸運」を手に入れ
 「ニキビ無しの別世界」への道が開ける定期便   』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を32年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

第209回からは、
『 腸に良い油、悪い油を理解して「 ニキビ改善 」 』と題して
私たちが日常何気なく摂っている『油』について考えています。
前回は、
『 トランス脂肪酸 』に注意して『 ニキビ改善 』をはかる方法
について考えました。

今回は、
『 オリーブオイル 』を摂取して『 ニキビ改善 』をはかる方法
の1回目について考えます。 
『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まついけつねお)著 PHP新書

という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣などがわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

スーパーで気軽に買えて消化管を積極的に動かす油として、 『オリーブオイル』があげられます。

このように消化管に効く食材を、
松生先生は『消化管作動性物質』と名付けているそうです。

なぜ腸の健康にとって、
『消化管作動性物質』が重要なのでしょうか?
大腸の病気にいたらないまでも、
便秘などの排便異常、残便感、お腹が張りやすいなどの症状
をもつ人はたくさんいます。

これらは、朝食を抜いたり、ストレスがたまったり、
あるいは夜遅くまで仕事をしていたりというささいなことから起こる
現代人共通の悩みです。

しかし、放置しておいては将来、腸の深刻な病気につながる危険があり、
また全身の健康や若々しさにも影響を及ぼします。

そこで、食事によって腸を活発に動かそうというわけです。

『消化管作動物質』の代表が、
オレイン酸リッチな『オリーブオイル』なのです。

『オリーブオイル』は、紀元前から排便促進効果が知られています。

イタリアでは現在でも、子供の便秘予防に、
スプーン一杯の『オリーブオイル』を摂らせることがあるそうです。

『オリーブオイル』が腸管を動かす秘密は、
『オリーブオイル』に豊富に含有されている『オレイン酸』にあります。

『オレイン酸』は、脂質のおもな成分である脂肪酸の一種です。

『オリーブオイル』100ml中に含有される脂肪酸は94mgですが、
  『オレイン酸』:75%
   リノール酸 :10.4%
となり、他の油と比較すると非常に『オレイン酸』が多いです。

『オリーブオイル』の排便促進効果(消化管運動促進効果)
を検証したのは、アメリカの生化学者マイケル・フィールドです。

その実験内容は以下の通りです。

1)動物の空腸(小腸の一部)にオリーブオイルを投入。
2)比較対象として、
  ひまし油(昔から便秘に使われ、有効成分はリチノール酸と言われる)
  を投入。 3)それぞれの油に含有される脂肪酸が
  食べ物の吸収を司る小腸でどのように動くかを比較。
4)短時間(三十分)で見た場合、
  オレイン酸の方がリチノール酸よりも小腸に吸収されにくく、
  小腸の外に分泌されにくいことが判明。
5)オレイン酸を多く含むオリーブオイルを比較的短時間に多く摂った場合、
  小腸で吸収されにくいことが証明されました。

つまり、

『 短時間(三十分)のうちに、
  比較的多め(大さじ一から二杯)のオリーブオイルを摂ると、
  それが小腸まで届いて腸が刺激されてスムーズな排便が促される 』

という訳なのです。

便秘でお悩みの『ニキビ患者さん』は多いです。

『 下剤などに頼ることなく
  短時間(三十分)のうちに、
  比較的多め(大さじ一から二杯)の「オリーブオイル」を摂りましょう。
  便秘などの排便異常、残便感、お腹が張りやすいなどの症状が
  緩和され「ニキビ改善」につながります。』

『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。
[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】
『 「 腸 活 」で「ニキビ改善」
〜(46)腸に良い油、悪い油を理解して「 ニキビ改善 」〜
オリーブオイルで腸の運動を促して「 ニキビ改善 」(1) 』

  • ・ 医師の『小林弘幸先生』の本
      『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
      『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
      『腸を整える』という項目を発展させ、
      『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ・ スーパーで気軽に買えて消化管を積極的に動かす油
       として、『オリーブオイル』があげられます。
  • ・ このように消化管に効く食材を、松生先生は
      『消化管作動性物質』と名付けています。
  • ・『オリーブオイル』は紀元前から排便促進効果が知られています。
      イタリアでは現在でも、子供の便秘予防に、
      スプーン一杯の『オリーブオイル』を摂らせているそうです。
  • ・『オリーブオイル』が腸管を動かす秘密は、
      『オリーブオイル』に豊富に含有される『オレイン酸』です。
  • ・『 下剤などに頼ることなく
        短時間(三十分)のうちに、
        比較的多め(大さじ一から二杯)の
        「オリーブオイル」を摂りましょう。
        便秘などの排便異常、残便感、お腹が張りやすいなどの症状
        が緩和され「ニキビ改善」につながります。』
  • ・『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その199 」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

大学の卒業式では、公邸の主人にお会いすることができました。

北海道知事が欠席されたため、祝辞を代読されたのです。

卒業証書授与式でも、
私が深々と礼をするとニッコリ挨拶していただけました。

息子さんからよく言われていたことがあります。
『父さんと先生(私)の誕生日は1月29日で一緒なんです。
 父さんは誕生日の話をよくするんです。』
単なる偶然とは思えないお話でした。

最近、昔を振り返ることが多くなりました。

現在56歳の私ですが、
漫画のサザエさんの登場人物磯野波平さんは
1950年代の設定で54歳とか。

時代が厳しくなって来ました。

でも自分の『幸運』を信じて
まだ頑張っていきたいと思っています。

次回も『 オリーブオイル 』について考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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