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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2011年1月20日配信)

第77回 『3分でチェック!『睡眠新常識』でスッキリ快眠・ニキビ改善』

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
 ちょっと遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

 お正月、年末から気になっていた映画を見に行ってきました。木村拓哉さん主演の『SPACEBATTLESHIPヤマト』(実写版)です。(詳しくは http://yamato-movie.net/index.html を参考に)

 一昨年は、『宇宙戦艦ヤマト』の26年振りの新作、『宇宙戦艦ヤマト 復活編』(アニメ版)が公開され、私も見ました。(詳しくは  第65回のコラム を参考に)
 アラフォー世代に懐かしい作品が、形を変えて2年連続で公開され、大きく取り上げられるのは、嬉しいことですね。
 新作では、キャストやストーリーも大きく変わっていました。また、『スター・ウォーズ』顔負けのスピード感あふれるCG映像は、世界進出を視野に入れたものでした。そういえば映画名も英語表記です。
 なるほど。これなら説明なしで、世界の人々に受け入れてもらえます。

 それから『セコム』や『ハウス』など複数の大企業が、映画とのコラボCMを大々的に放送するなど、昔では考えられないことでしたね。
 やっぱり時代は大きく変わってきています。私も、更なる『変化』が必要だと痛感しました。

 そうそう。常識だと思っていたことが、いつのまにか古くなっていることってありますね。古くなった知識はアップデートする必要があります。
 ニキビの治療も同じです。新たにアップデートした知識が大きく役立つこともあります。
 今までの知識を再確認しつつ、常にアップデートして行きましょう。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を20年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、ニキビ治療をして行く上で、知っていて損しない知識の一つ、『ニキビダニ』について考えました。
 今回は、規則正しい生活を送ってニキビ改善につなげるために必要な、『睡眠』について新たに考えることにしました。

 『睡眠』については、このコラムでは、第7・8回の2回、更に、29回では『睡眠力について』として取り上げています。

 昨年の10月のことです。いきなり診療中に某新聞社の記者さんより電話取材を受けました。『現代人と睡眠について特集するつもりです。先生の書かれたコラムの中にあった、「睡眠力」が面白く、引用させてもらっても良いですか?』とのお話しでした。
 その他、延々10数分間、質問があり、いつ記事になるのかと期待していましたが、未だに実現しないでお蔵入りとなっています。残念です。

 最近、ニキビ患者さんを診察していて気づくのが、睡眠薬を内服したり、眠れないと訴える患者さんの増加です。『良く眠る』ことができるだけで、ニキビ改善につながるのでは?と思える患者さんも増えてきました。

 前回、睡眠について書いたコラムはもう4年前。その後、自分でも『睡眠』について、もう少し勉強しようと考え、いろいろ資料を集めていた所、目に留まったのが、雑誌『週刊 SPA!』12月21日号の特集『間違いだらけの健康常識をブッタ斬り』でした。
 今回はその特集をベースに、『最新版 睡眠改善方法』の入り口になれば幸いと考え、自分なりにまとめてみました。

 記事のまとめは、以下の通りです。

 こんな『常識』にとらわれていないか!?

1.短眠は短命。長眠は長生き
  →長眠も死亡率を高めてしまう

2.寝る前に運動するとよく眠れる
  →運動はX。ストレッチはOK

3.寝る前に風呂に入ると良く眠れる
  →風呂はかえって寝つきを悪くする

4.朝はスッキリ目覚めるのがよい
  →朝はボケッとしているのが普通

5.寝酒は寝つきをよくする
  →むしろ睡眠不足を招く

 私は、以下のように改変しました。

 ニキビも改善!3分でチェック!『睡眠の新常識』

1.平均睡眠時間7時間が長生きの秘訣
  →9.5時間では40%死亡率アップ。個人差あり

2.寝る前の運動は、リラックスできるストレッチ程度に
  →夜9時以降の運動は体温上昇し眠りの妨げ

3.寝る前の入浴は、眠る1~2時間前までに。
  →血行を促し健康によいが、体温上昇し眠りの妨げ

4.調子が出る仕事のゴールデンタイムは朝9時位から
  →体温は朝4時から徐々に上昇。早朝学習はほどほどに

5.寝酒はウイスキーや焼酎を少し舐める程度で
  →寝つきが良くなっても、アルコールの覚醒作用で夜中や早朝に目が覚めやすい

 特に、個人的に気になったのが、1と4の二つです。

 まず、1の睡眠時間についてです。

 私も40代の半ばとなり、健康には特に気をつけるようになりました。以前は睡眠の質を上げることに注力し、睡眠時間は軽視していました。仕事が立て込み、なかなか十分とれないことも多いですが、最近はできるだけ7時間程とるようにしています。  すると明らかに体調が良く、仕事の能率も上がってきています。できない時は、得意のサイクル睡眠(90分程にわけて何回かとる)や、昼寝(5~15分程度)で補っています。

 次に、4の早朝の時間の使い方です。

 3年程前のニュースに、早朝5時から仕事をしていた私は驚きました。以下に引用します。

 「早起きは三文の損?」京都の研究者が新説を発表 【2007年9月7日AFP】

 「早起きは三文の得」と昔から言われてきたが、早起きは心臓に負担をかけるとの日本の研究結果が発表された。京都の大学、病院関係者らの研究によると、起床時間と心臓血管の状態の間には一定の関連性が認められるという。
 「早起きをして仕事に出かけたり運動をすることは健康によい影響を与えず、むしろ心臓病の原因になる可能性がある」と研究結果の抜粋は指摘する。
 23歳から90歳までの3017人の健康な成人を対象に調査を行った結果、早起きをする人には高血圧症、卒中を起こす可能性が高かったという。
 ただ、早起きの人の中には高齢者が多いことも研究は指摘している。
 研究結果は、オーストラリアのケアンズで2日から6日まで開かれた「第5回世界睡眠研究会議」で発表された。

 当然といえば当然ですね。人間の体には一定のリズムがありますから。
 起床後の肉体的・物理的ストレスに対して、身体の準備を整えるためのホルモン、コルチゾールの分泌量は、朝6~7時くらいに最大になります。
 それより前の時間、4時~5時くらいに起床してすぐに運動をすると、まだ身体の準備が出来ていない状態にあるため、心臓に負担をかけてしまうという事が考えられます。これはデスクワークにもあてはまると思われます。

 SPAでも、
『夜に下がった体温が再び上がり始め、調子がでてくるのは朝9時位から。「早朝は頭がスッキリする」というのはイメージにすぎず、近年ブームになっている出社前の「早朝勉強会」は、実は効率的ではないそうだ』
とありました。

 私は、最近では早朝の仕事はセーブ気味に、陽が昇るのが早い夏は5時頃、遅くて寒い冬は5時半過ぎに起きて、体と相談しながら行っています。
 アップデートした『睡眠新常識』で、質の高い十分な睡眠をとり、ニキビ改善につなげましょう。

 今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その61」

『3分でチェック!『睡眠新常識』でスッキリ快眠・ニキビ改善』

 
  • •最近、睡眠薬を内服したり、眠れないと訴えるニキビ患者さんが増加しています。
  •  
  • •『良く眠る』だけで、ニキビ改善につながるのでは?と思える患者さんも増えてきました。
  •  
  • •前回、睡眠について書いたコラムは4年前。いろいろ資料を集めていた所、目に留まったのが、『週刊 SPA!』12月21日号の特集『間違いだらけの健康常識をブッタ斬り』でした。
  •  
  • •今回はその特集をベースに、気軽にチェックできる『最新版 睡眠改善方法』を、自分なりにまとめてみました。
  • •ニキビも改善!3分でチェック!『睡眠の新常識』
  • 1.平均睡眠時間7時間が長生きの秘訣
      →9.5時間では40%死亡率アップ。個人差あり
  • 2.寝る前の運動は、リラックスできるストレッチ程度に
      →夜9時以降の運動は体温上昇し眠りの妨げ
  • 3.寝る前の入浴は、眠る1~2時間前までに。
      →血行を促し健康によいが、体温上昇し眠りの妨げ
  • 4.調子が出る仕事のゴールデンタイムは朝9時位から   →体温は朝4時から徐々に上昇。早朝学習はほどほどに
  • 5.寝酒はウイスキーや焼酎を少し舐める程度で
      →寝つきが良くなっても、アルコールの覚醒作用で夜中や早朝に目が覚めやすい
  •  
  • •個人的に気になったのが、1と4の二つです。
  •  
  • •以前は睡眠の質を重視、睡眠時間は軽視していました。最近はできるだけ7時間程とるようにしています。明らかに体調が良くなり、仕事の能率も上がってきています。
  •  
  • •「早起きは心臓に負担をかける」という3年程前のニュースに、早朝5時から仕事をしていた私は驚きました。
  •  
  • •SPAでも、「早朝は頭がスッキリする」というのはイメージにすぎず、出社前の「早朝勉強会」は、実は効率的ではない』とありました。最近では早朝の仕事はセーブ気味に、季節や体と相談しながら行っています。
  •    
  • •アップデートした『睡眠情報』で、質の高い十分な睡眠をとり、ニキビ改善につなげましょう。
   

 世の中の移り変わりは早いです。健康関連の常識も日々変わっています。
 知識のアップデートは大切ですし、それを取り入れて、調整を加えて行くことは、もっと大切ですね。
 次回は、『睡眠の新常識』について、更に、考えていきたいと思います。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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