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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2023年5月20日配信)

第225回『「 腸 活 」で「ニキビ改善」 〜(55)腸内フローラを健やかに保って「 ニキビ改善 」(8)〜 「酪酸菌」が最重要です!! 深掘り その5』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#  

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

最近、購入したもの。

それは『自転車』です。

26年前に開業した時。
私は車を所有していませんでした。
最初は『ママチャリ』(笑)に乗っていました。

田舎で車がないのは致命的。
流石に車を買いました。

去年、物品整理をしていて発見したのが
26年前に乗っていた『ママチャリ』です。

『ママチャリ』はパンクしており、
メンテナンスが必要でした。

最近の情勢を鑑みて、
『準備』しておいたらいいなと思ったのが
この『自転車』なのです。

そこで少し奮発して、
『パンクしない自転車』(4万円弱)を購入しました。

試しに乗ってみると、
違和感なく普通に乗れます。

『パンクしない』のでメンテナンスの心配もほぼなくなります。

『準備』は大切ですね。

『 ようするに「準備」というのは、
  言い訳の材料となり得るものを排除していく、
  そのために考え得るすべてのことをこなしていく、
  ということですね 』

プロ野球『イチロー選手』の名言です。

『ニキビ改善』は一日、二日では難しいです。

改善にはある程度の『準備』期間が必要です。

一生懸命『ニキビ治療』に取り組んでいても
一進一退で結果が出ない時があります。
次々問題が発生してつらい時もあります。
私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 33年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「1日1日を大切に生きる」そして「ニキビ改善」につながる
  重要な「情報」を継続して提供。
 「ニキビ無しの別世界」につながる「準備」期間のための定期便 』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を33年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは  http://www.tokachi-derma.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『 腸を整える 』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

前回は、
『 腸内フローラ 』を健やかに保って『 ニキビ改善 』をはかる方法
の7回目。『酪酸』について深掘りして考える4回目でした。
患者Kさんからいただいた『ミヤリサン製薬』さんの小冊子を題材に
大切なことを引用して解説させていただきました。
今回は、
『 腸内フローラ 』を健やかに保って『 ニキビ改善 』をはかる方法
の8回目。
『酪酸』について深掘りして考える5回目です。
最近、偶然ですが『酪酸』について
YouTubeの動画を見る機会がありました。

『東大の微生物博士が教える コロナに殺されないたった1つの方法』
(東京大学名誉教授 小柳津広志 著)

についての動画です。

『フラクトオリゴ糖』を摂ることで、
『酪酸菌』が腸内で増え免疫力が上がるという内容です。

私は『酪酸菌』を摂る方法で、
『酪酸』の効果を実感できるか自身で試験してみました。

『酪酸菌』関連の医薬品というと『ミヤBM』(ミヤリサン製薬)。
亡くなった胃腸が弱い祖母が愛飲していたのが『ミヤリサン』
でしたから安心感もありました。

幼稚園から小学低学年の頃、
一時、私も飲んでいた(驚き!)こともありました。
(甘味のあるおいしい薬だったことを覚えています。)

正式な用量 1日3〜6錠を3回に分割投与するとありました。

試しに1日1錠だけ内服してみました。

数日経って気がついたこと。

トイレに行く回数が減りました。

下痢もあまりしなくなりました。

体調も問題ありません。

消化器系でこんなに効果を感じる医薬品はこれまでありませんでした。

乳酸菌その他も、試していましたが効果は感じられませんでした。

『 酪酸菌 = 最強 』ということで、

『 「 酪酸菌 」 について深く考えていくことが非常に重要 』
という結論に至り、深掘りを行なっています。

今回は、
『免疫力が強い=NK(ナチュラルキラー)活性』。
『NK(ナチュラルキラー)活性』についてお話しさせていただきます。

話の都合上、最初は
新型コロナウイルス関係の内容になります。
ちょっと難しいですが、知っていて損はありません。

難しく感じる方は、(####)部分を飛ばしてお読みくださいね。

(################################)

代表的な免疫細胞として以下があげられます。

イ) 自然免疫に関与する免疫細胞
NK細胞
ロ) 自然免疫と獲得免疫に関与する免疫細胞
樹状細胞、 マクロファージ、好中球、マスト細胞
ハ) 獲得免疫に関与する免疫細胞
T細胞、B細胞、キラーT細胞

新型コロナウイルスが口、鼻、喉、気管支、肺などに感染すると
すぐに攻撃を開始するのは、
イ) 自然免疫に関与する免疫細胞 
NK細胞
ロ) 自然免疫と獲得免疫に関与する免疫細胞
樹状細胞、 マクロファージ
です。

『NK細胞』は、
 ウイルスを認識して
 感染した細胞を破壊(内部だけを破壊)します。

樹状細胞、マクロファージはウイルスを貪食します。

『NK細胞』やマクロファージなどがウイルスを除去できない場合、

7日目位には

ハ)獲得免疫(T細胞、B細胞、キラーT細胞)

 がウイルスを認識。
 B細胞が抗体を産生し、
 キラーT細胞が感染した細胞を破壊(内部だけを破壊)するようになります。

B細胞が作る抗体は体液中に飛び出たウイルスに接着します。
そうするとウイルスは他の細胞に感染できなくなります。

抗体がついたウイルスは好中球、 マクロファージなどが貪食します。

この時、
マクロファージなどから炎症性サイトカインが大量に放出されますが、
炎症が激しくなると自分自身の細胞が次々に破壊されます。

新型コロナ感染症の場合、
『サイトカインストーム』とよばれる
炎症性サイトカインが大量に放出される傾向があります。

新型コロナウイルスの感染では、
なぜかキラーT細胞が感染細胞をうまく攻撃できないメカニズム
が働くようです。

炎症性サイトカインが大量に放出された場合、
『Tレグ細胞(#)』が炎症を抑制していきます。
『Tレグ細胞』の働きが弱ければ重症化して死に至ります。

(#) 『 Tレグ細胞:制御性T細胞 』:

T細胞の一種で、
免疫細胞が過剰に働くことを抑制的に制御し、
アレルギー反応や炎症反応などを抑える働きがあります。
  「免疫の暴走を抑え」「免疫系が起こす炎症を抑える」T細胞です。

科学誌Natureの掲載論文(*)によると

  

 「 食物繊維の多い食事を摂ることで腸内細菌の活動が高まり、
その結果多量の「酪酸」が作られ、
この「酪酸」が炎症抑制作用のある「Tレグ細胞」を増やす 」

ことが証明されています。

(*)腸内細菌が作る酪酸は制御性T細胞を誘導して、腸管の炎症を抑制する
  Nature (2013) doi:10.1038/nature12721

              

(################################)

体の中にはコロナはもちろん
ニキビを含めた感染症に負けない免疫力があります。

『 「免疫力が強い」というと、
「風邪をほとんどひかない」
「口内炎ができない」
「インフルエンザにならない」

ということを考えると思います 』と小柳津先生。

これらは、『 自然免疫であるNK細胞の活性が高い 』と起こります。

小柳津先生は、著書では
『免疫力が強い』ということを『NK活性が高い』としています。

その上で、

『 NK活性が高くても 
生体組織中のTレグ細胞(#)の活性が高くなければ、
アレルギーになり、
関節リウマチや潰瘍性大腸炎になる 』

と断言されています。

『 体調を維持するには 免疫系全体が 強力に機能していることが重要 』 というわけです。

それでは、『NK活性』とは何なのでしょうか。

一般に伝えられる『NK活性』『NK細胞』についての事実を以下に列挙します。
イ)「 20歳くらいが一番高く、60歳を過ぎると5分の1位に下がってしまう 」
ロ)「  ストレスがかかるとすぐ下がってしまう 」
ハ)「 笑うと上がる 」
ニ)「 激しい運動をすると下がってしまう 」
ホ)「 NK細胞は体の中に毎日誕生するがん細胞を破壊する 」
へ)「 NK活性が高い人はがんになりにくく、
    風邪やインフルエンザにもなりにくい 」
でも、最も重要なのは

『 NK活性は腸内フローラの影響を受けて大きく変化する 』

ということです。
『 NK「活 性」』という表現が使われるのは、
『 NK細胞が刻一刻さまざまな身体の状態の影響を受けて活性を変化させる 』
 ためです。

特に『 大腸に 「酪酸菌」 が増えると 「NK活性が上昇する」』
ことが多くの論文で報告されています。

これに対して、
『 ビフィズス菌が増えてもNK活性が大きく上がる事はない(汗) 』
そうです。

『 私たちは狩猟採集時代のように、
毎日、たくさんの「 酪酸菌を増やす食物繊維 」をとっていれば、
風邪やインフルエンザだけでなく、
その他の様々な病原菌が感染しない体質を作ることができる 』

と小柳津先生。

私の大学院時代の研究テーマはひと言で言うと『 皮膚免疫 』でした。

(  すでに  第149回のコラム 
   『 「笑い」で免疫力をアップして「ニキビ改善」
    〜笑う門には「ニキビ改善」が来たる!〜』  では
『笑い』→『NK活性上昇』→『ニキビ改善』について紹介しています。 )

『 NK活性 』と『ニキビ』については、以下のようなことが推測できます。
イ) 『 NK活性 』が上がると、多くのNK細胞が全身で働くようになる。
ロ) 血流が良くなるため肌のさまざまな細胞の働きが活性化する。
ハ) 機能が衰えた皮膚の『老化細胞』が排除され、
新陳代謝の向上やターンオーバーの正常化が期待できる。
ニ) 肌質改善・美肌効果・エイジングケアがもたらされ
『ニキビ改善』につながる。

『 NK活性の上昇 』は『ニキビ改善』につながります。

今回の『酪酸菌』の5回目の深掘りはここまでです。
便秘などの『腸内環境』の異常でお悩みの『ニキビ』患者さんは多いです。

『腸内フローラの健康を維持するためには、 外部から乳酸菌やビフィズス菌など生体にとって有用な菌を摂取する ことも重要。

しかし、それ以上に

大腸内の腸内フローラに 未消化多糖類である食物繊維やオリゴ糖など重要な栄養分を供給して 嫌気発酵を行わせ

大腸粘膜上皮細胞の第一番目のエネルギー源である 「 酪酸 」を合成させる

ことが腸の機能を保つ上で最も重要である。

 

「 新型コロナの重症化 」、「 花粉症 」、「 うつ病 」は、
免疫系が起こす「 炎 症 」による病気。

「 ニキビ 」もその一つと考えられます。

免疫の暴走を抑える「 Tレグ細胞 」は
「酪酸菌」により増加し
「 炎 症 」を抑えて病気の改善につながります。
大腸に「酪酸菌」が増えると「NK活性が上昇」します。
『 NK活性の上昇 』は『ニキビ改善』につながります。
このことをよく理解した上で
腸内環境を整えましょう。

私の経験でも「酪酸菌」の摂取により
腸内環境が大幅に改善する結果が得られました。

私が摂取している「酪酸菌」の「宮入菌」は
「芽胞」の形で大腸まで届く優れもの。
便の形もよくなります。
東京大学名誉教授 小柳津広志 先生は 著書の中で、
「食物繊維をたくさんとって、大腸の酪酸菌を増やす食生活」
が大切と語られています。

1)毎日、ゴボウ、タマネギ、ニンニク、ネギを食べる。
2)ネットやドラッグストアでも購入できる「ミヤリサン」を内服する。

今日からでもできる大切な方法です。
健康な生活が可能となり「ニキビ改善」につながります。    』
『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】
『     「 腸 活 」で「ニキビ改善」
〜(51)腸内フローラを健やかに保って
「 ニキビ改善 」(6)〜 
「酪酸菌」が最重要です!! 深掘り その4     』

  • ・ 医師の『小林弘幸先生』の本
    『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
    『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
    『腸を整える』という項目を発展させ、
    『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ・『 大腸に「酪酸菌」が増えると「NK活性が上昇」』して
    「ニキビ改善」につながる 』ことについて解説します。
  • ・『 NK活性 』と『ニキビ』については、
      以下のようなことが推測できます。
    イ) 『 NK活性 』が上がると、
    多くのNK細胞が全身で働くようになる。
    ロ) 血流が良くなるため肌のさまざまな細胞の働きが活性化する。
    ハ) 機能が衰えた皮膚の『老化細胞』が排除され、
    新陳代謝の向上やターンオーバーの正常化が期待できる。
    ニ) 肌質改善・美肌効果・エイジングケアがもたらされ
    『ニキビ改善』につながる。
  • ・『    腸内フローラの健康を維持するためには、
    外部から乳酸菌やビフィズス菌など生体にとって有用な菌を摂取する
    ことも重要。

    しかし、それ以上に

    大腸内の腸内フローラに
    未消化多糖類である食物繊維やオリゴ糖など重要な栄養分を供給して
    嫌気発酵を行わせ

    大腸粘膜上皮細胞の第一番目のエネルギー源である
    「 酪酸 」を合成させる

    ことが腸の機能を保つ上で最も重要である。

      「 新型コロナの重症化 」、「 花粉症 」、「 うつ病 」は、
    免疫系が起こす「 炎 症 」による病気。

    「 ニキビ 」もその一つと考えられます。

    免疫の暴走を抑える「 Tレグ細胞 」は
    「酪酸菌」により増加し
    「 炎 症 」を抑えて病気の改善につながります。
    大腸に「酪酸菌」が増えると「NK活性が上昇」します。
    「 NK活性の上昇 」は「ニキビ改善」にもつながります。
    このことをよく理解した上で
    腸内環境を整えましょう。

    私の経験でも「酪酸菌」の摂取により
    腸内環境が大幅に改善する結果が得られました。

    私が摂取している「酪酸菌」の「宮入菌」は
    「芽胞」の形で大腸まで届く優れもの。
    便の形がよくなります。
    東京大学名誉教授 小柳津広志 先生は 著書の中で、
    「食物繊維をたくさんとって、大腸の酪酸菌を増やす食生活」
    が大切と語られています。
    1)毎日、ゴボウ、タマネギ、ニンニク、ネギを食べる。
    2)ネットやドラッグストアでも購入できる「ミヤリサン」を内服する。

    今日からでもできる大切な方法です。
    健康な生活が可能となり「ニキビ改善」につながります。    』
  • ・『ニキビ改善』はもちろん、
    健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「 落ち穂 その207 」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

『自転車』に乗ったのは25年ぶりでした。

最初は転ぶかな(汗)と予想していましたが、
そんなことはなく元気に(笑)すいすい気持ちよく乗れました。
義務化となるヘルメットも被って乗りました。

ガス欠の時代(大汗)となっても、
ある程度のところまでは移動できそうです。

また、最近、車を運転していて気づくのが道路の凸凹です。
パンクの心配をしないですむ『パンクしない自転車』はオススメです。

次回も『腸活』特に『酪酸菌』について考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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