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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2021年8月20日配信)

第204回『「 腸 活 」で「ニキビ改善」 〜(35)腸内環境を改善するひと工夫〜 冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物「 シナモン・ジンジャー(1) 」』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。 とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

北海道大学皮膚科の新任教授の就任記念講演の動画を見ました。

私の時代の教授といえば威風堂々目つきが鋭い先生が多かったです。

でもこの教授は若くて研究や診療が楽しくてしょうがない
という感じが体全体から溢れ出てくるような方でした。

一番印象に残ったのが
『◯○の研究をしていて困っていたところ
 実はその研究の専門家が北大の小児科の先生だった』
というところです。

serendipity(セレンディピティー)としかいいようのない
エピソードがこの教授の周りにはたくさん溢れていたのです。

serendipity(セレンディピティー)は、
『偶然の幸運を手に入れる力』です。

研究を一生懸命やっているうちに楽しくなって
偶然が必然になるような感じで成果が得られ
気付くと教授になっていたみたいな感じです。

『素晴らしいお話を聞かせていただきありがとうございます。
 本当におめでとうございます』
と心から私は思いました。

一生懸命『ニキビ治療』に取り組んでいても
一進一退で結果が出ない時があります。

そんな時、このコラムの小さな情報が
『ニキビ改善』につながる
『serendipity(セレンディピティー)』
の一助になるといいですね。

私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 31年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。
 その「情報」が「serendipity(セレンディピティー)」
 の一助となって「ニキビ改善」につながり
 「ニキビ無しの別世界」への道が開ける定期便   』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。 (思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を30年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

第199回からは、最新の研究からわかってきた
『 積極的に取り入れたい 腸によい 6つの習慣 』
について考えています。
前回は、
『 腸に良い習慣「 オリゴ糖リッチ 」
 を取り入れて『腸内環境改善』をはかり
 「 ニキビ改善 」をはかる方法 』について考えました。

今回は、
『 腸に良い習慣「 冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物 」
 のうち 「シナモンジンジャー」を使って
 「腸内環境改善」を行い「 ニキビ改善 」をはかる方法 』
について考えます。
『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まついけつねお)著 PHP新書
という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣などがわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

『冷え』が腸にとってよくないことは
       第196回のコラム
『 「 体を冷やす〜気温差10℃の法則〜 」
       に注意して便秘改善       』
でお話しました。

今回はさらにお腹を温める工夫について考えます。

松生先生は手軽な方法として、
漢方薬によく使用される素材
シナモン(桂皮)やジンジャー(ショウガ)を使うこと
を勧められています。

『シナモン(桂皮)』
はクスノキ科の木の幹や樹皮を乾燥させたもの。
独特の甘みと香りが特徴です。

主成分『桂皮アルデヒド』には血流を増加させる作用があり、
動物実験では手や足などの末端の血管を拡張させる作用が確認
されています。

『シナモン(桂皮)= 血管を拡張して血行をよくする働き』
があります。

『ジンジャー』はショウガ科草木で、日本名はショウガです。
民間薬として世界中で愛用されています。

マウスを使った実験では、
辛味成分のうち6ーショウガオールや10ーショウガオール
という物質が体温の低下を抑制することが示されています。

6ーショウガオールは、
生よりも乾燥させたもの(乾姜)に多く含まれるそうです。

『ジンジャー(ショウガ)
 = 体温を維持し、消化管の働きを整え
   胃腸に溜まったガスを排出させる働き』
があります。

『シナモン(桂皮)』『ジンジャー(ショウガ)』
の両者を使用している漢方製剤に
『桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)』があります。

『桂枝加芍薬湯』は、
体が冷えやすかったり胃が弱かったりする人に有効な漢方製剤です。

臨床の現場では、軽い便秘や、便秘や下痢を繰り返す人の治療薬
として使われています。

ここから松生先生が考案したのが
『シナモンジンジャーティー』です。

もっとも手軽に毎日の食事に取り入れられるようにした
シナモンとジンジャーで作る飲み物です。

作り方は以下の通り簡単です。
材料が揃えば『1分』でできます。

イ)材料等の準備

市販のシナモンパウダー(A)(スーパーなどで販売しています)
チューブ入りのショウガ(B)(生のショウガをすりおろしても可)
市販のオリゴ糖(C)(ハチミツでも可)
バニラエッセンス(D)
カップ、お湯 を用意する。

ロ)(A)(B)(C)を適量、カップに入れてお湯を注いで
  かき混ぜます。

ハ)最後に(D)を数滴たらしてできあがり。

(C)を入れるのは、飲みやすくするだけでなく、
腸内環境を整え、お腹の症状を改善してくれる効果が期待できるから
だそうです。

50代半ばの男性皮膚科医(笑)の私もやってみることにしました。
ハイソな松生先生と違って、材料を揃えることから始めます。

患者さんに会う可能性が高いので夜8時半にスーパーに行きました。

シナモンパウダー(A)は、香辛料などのコーナーにありました。
共立徳用シナモンパウダーを 298円(税込)でゲット。

チューブ入りのショウガ(B)は、
100円ほどの生ショウガの購入を考えましたが手間を考えて断念。
チューブ入りのショウガは添加物などが心配でこれもやめました。
瓶入りの 坂田おろし生姜 なる商品を奇跡的に発見。
小躍りしながら 168円(税込)でゲット。

オリゴ糖(C)は常々気になっており、
速攻で砂糖などのコーナーに行きました。製品は様々ありました。
地元北海道の工場で製造 すずらん印 ビートオリゴ 298円(税込)
をゲット。
高校の後輩である安住アナのお父様がお勤めされていた会社です。
ビートを栽培される地元の農家さんにも感謝です。

バニラエッセンス(D)はお菓子の材料コーナーにありました。
信頼のブランド 明治屋 エッセンスバニラ 179円(税込)
をゲット。

総額 943円(税込)のお買い物でした。

早速『シナモンジンジャーティー』を作ってみました。

愛用のカップに怪しげな手つきで
(A)(B)(C)を小さじ1杯くらい投入します。

電気ポットで沸かした70度くらいのお湯を入れてかき混ぜます。

(D)を4滴ほど入れます。

飲んでみました。
私の場合、シナモンでむせてしまいこれでは飲めないと判断。

(C)を少しずつ増量してかき混ぜると抵抗なく飲める感じ
になりました。

効果はどうでしょうか?

真夏日や酷暑日が続いたのち最高気温が15度となった8月の十勝。
身体の冷えが気になっていた私の身体はぽかぽかしてきました。
お腹の調子もいい感じです。

私の場合、毎日は難しいですが冷えが気になるときは飲んでいます。
約千円で何十杯もいただける『シナモンジンジャーティー』
はコスパ最高の優れた健康飲料と考えます。

本題に戻ります。

温かいお湯を飲むことで、ある程度体温を上昇させることは可能です。
そして、シナモンやショウガの持つ血管拡張作用、
つまり血行をよくする作用は、
お湯を摂取して上昇した体温を低下しにくくしてくれます。

ただし、シナモンやショウガはそのまま摂ったからといって、
体温が上昇するわけではないので注意が必要です。

松生先生は、冷え症や便秘などに悩む14名の女性に
『シナモンジンジャーティー』を飲んでいただく試験をされたそうです。

結果は
1) 14名中8名が『シナモンジンジャーティー』を飲んだ後
   体温上昇が見られ、その1時間後も体温が維持された。

2) その14名に『シナモンジンジャーティー』を毎日2回、2週間
飲用していただいたところ、8名に冷えの改善が認められ、
9名に腹部の張りが治ったり、排便が好調になるなど
腸の状態の改善が見られた。

『冷えを伴う便秘、あるいは便秘傾向のある人は、
 保温力のあるジンジャーやシナモンのような食材と、
 腸の働きを改善してくれる素材を組み合わせて摂ることがよい
 と考えられる』と松生先生は結論づけられています。
『ニキビ患者さん』で、
冷え症を伴う便秘のある方や便秘傾向のある方は多いです。

『シナモンジンジャーティー』で
『ニキビ改善』が期待できる可能性があります。

『 「 冷え知らずの腸をつくる食べ物 」
  「シナモンジンジャー」や「シナモンジンジャーティー」』
 を意識的に取り入れて『腸内環境改善』をはかりましょう。
『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。
[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】
『 「 腸 活 」で「ニキビ改善」
〜(35)腸内環境を改善するひと工夫〜
冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物 「 シナモン・ジンジャー(1) 」』

  • ■  医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
     『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ■  今回は、
    『 腸に良い習慣「 冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物 」
     のうち 「シナモンジンジャー」を使って
    「腸内環境改善」を行い「 ニキビ改善 」をはかる方法 』
     について考えました。
  • ■  松生先生は手軽な方法として、
      漢方薬によく使用される素材
      シナモン(桂皮)やジンジャー(ショウガ)を使うこと
      を勧められています。
  • ■  『シナモン(桂皮)= 血管を拡張して血行をよくする働き』
      『ジンジャー(ショウガ)
       = 体温を維持し、消化管の働きを整え
         胃腸に溜まったガスを排出させる働き』があります。
  • ■  『シナモン(桂皮)』『ジンジャー(ショウガ)』
      の両者を使用している
      漢方製剤『桂枝加芍薬湯(けいししゃくやくとう)』。
      体が冷えやすかったり胃が弱かったりする人に有効です。
  • ■  松生先生が考案した『シナモンジンジャーティー』は、
      手軽に毎日の食事に取り入れられるようにした飲み物で
      効果は実証ずみです。
  • ■  作り方は簡単。材料が揃えば一分間でできます。
      五十代半ばの皮膚科医の私も
      スーパーで954円(税込)で材料を調達して飲用。
      身体がぽかぽかに。
  • ■ 『 「冷え知らずの腸をつくる食べ物 」
       「シナモンジンジャー」や「シナモンジンジャーティー」』
      を意識的に取り入れて『腸内環境改善』をはかりましょう。
  • ■ 『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その187」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

酷暑を記録した今年の北海道。

8月12日朝の北海道は、道北を中心に冷え込みが強まり、
稚内市の沼川では(#1)℃を記録。

この時期の道内としては(#2 )ぶりの低い気温を記録したそうです。

(#1)(#2)の答えは、後でお示ししますが
すごい時代に私たちは生きているみたいです。

最近、私は楽しめることは積極的に楽しむように心がけています。

時節柄、読者のみなさまは身体にくれぐれも気をつけてくださいね。

(#1):2.6℃ (#2 )128

次回も、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』
について考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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