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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2021年9月20日配信)

第205回『「 腸 活 」で「ニキビ改善」〜(36)腸内環境を改善するひと工夫〜冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物「(2)トランス脂肪酸を含まない手作り「カレー」 」』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

(FM番組DJ) さて次は皆さんお待ちかねのヒゲダンの新曲です。

(私) おっ。きたきた。待ってました!どんな曲かな?
楽しみ楽しみ。

(FM番組のDJ) 『アポトーシス』です。お聴きください。

(私) エーッツ!

夏のある日の朝。
FMを聴きながら診療開始前にシャワーを浴びようとしていた私。
頭がくらくらするぐらい強い衝撃を受けました。

『Official髭男dism』
オフィシャル ヒゲ ダンディズム 通称、ヒゲダン。

バンド名の由来には
『 髭の似合う歳になっても、
  誰もがワクワクするような音楽を
  このメンバーでずっと続けていきたい 』
という意味が込められているそうです。

ヒゲダンは2019年に狂ったように私が聴いていた
人気ピアノロックバンドです。

その年の全音楽鑑賞時間の70%を占めていたくらいです。
50数年の人生でこんなウエートで聴いたアーティストは初めてです。

何を隠そう私ヒゲありです。
グループ名が気になったのが聴くきっかけでした。

最近でも比率は下がるものの日常的に聴いている
アーティストのナンバーワンです。

なぜ私がそんなに驚いたか?

それは『アポトーシス』が
私の大学院時代の研究分野だったから。

大学院修了の医学博士号論文も
『皮膚のアポトーシス』
について研究したものなのです。

私にとっては『serendipity(セレンディピティー)』
な出来事なのです。

前回のコラムでも取り上げた
『serendipity(セレンディピティー)』は、
『偶然の幸運を手に入れる力』です。

珍しく別のリンクのページを作りましたから
ご覧ください。
(こちらをどうぞ
https://www.tokachi-media.com/content/804 )


 地元の新聞記事に掲載されたことを記念して
 制作した掲載記事の盾
(このような盾を製作したのは1度だけです。
 診療所の待合室に飾ってあります。)

下 学位論文の別刷(論文を印刷した小冊子)
(昔は自署して仲間の研究者に渡したりしていました。)

を示します。

『アポトーシス(apoptosis)』は細胞の自然死のことです。

語源はギリシャ語の
「apo-(離れて)」と「ptosis(下降)」に由来していて、
「(枯れ葉などが木から)落ちる」という意味があります。

個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、
管理・調節された細胞の自殺つまりプログラムされた細胞死です。

例えばオタマジャクシからカエルに変態する際に尻尾がなくなるのも、
人の指が形成される過程(はじめは指の間が埋まった状態で形成し、
それから指の間の細胞がなくなり手指が作られる)も、すべて
『アポトーシス』によるものです。(研究用語辞典を改変)

『 お前の研究テーマ「アポトーシス」は人生の後半で
  再び脚光を浴びることなる。
  それは思わぬところからやってくる。
  それがやってきた時、
  世界は別の世界に変貌しているだろう。
  それでもお前は生きるのだ。
  悲しんでいる場合ではない。
  残りの人生を「アポトーシス」を意識してしっかり生きるのだ』

そう神様にいわれたような気がしています。

一生懸命『ニキビ治療』に取り組んでいても
一進一退で結果が出ない時があります。

そんな時、このコラムの小さな情報が
『ニキビ改善』につながる
『serendipity(セレンディピティー)』
の一助になるといいですね。

私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 31年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。
 その「情報」が「serendipity(セレンディピティー)」
 の一助となって「ニキビ改善」につながり
 「ニキビ無しの別世界」への道が開ける定期便   』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。 (思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を30年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

第199回からは、最新の研究からわかってきた
『 積極的に取り入れたい 腸によい 6つの習慣 』
について考えています。
前回は、
『 腸に良い習慣「 冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物 」
 のうち 「シナモンジンジャー」を使って
 「腸内環境改善」を行い「 ニキビ改善 」をはかる方法 』
について考えました。

今回は、
『 腸に良い習慣「 冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物 」
 のうち トランス脂肪酸を含まない手作り「カレー」を使って
 「腸内環境改善」を行い「 ニキビ改善 」をはかる方法 』
について考えます。
『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まついけつねお)著 PHP新書
という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣などがわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

『冷え』が腸にとってよくないことは
       第196回のコラム
『 「 体を冷やす〜気温差10℃の法則〜 」
       に注意して便秘改善       』
でお話しました。

今回は『シナモンジンジャー』に続いて
『カレー』でさらにお腹を温める工夫について考えます。

『カレー』は、腸を温め、腸の働きを活性化させるメニューです。

これは30種類以上のスパイスによる効能です。

日本薬科大学の丁宗鐡教授は

イ)スパイスを豊富に使った本物のカレー
ロ)味は似ているがスパイスが使われていない擬似カレー

を冷え症の女性たちに摂取してもらい、
体表温度や深部温度を測定する比較実験を行いました。

結果は
イ)食後90分たっても体温が高いまま維持された
ロ)一時的に体温が上がるものの、食後すぐ元に戻った
そうです。

『「カレー」は体の温度を維持する、温めメニュー』
といえます。

『カレー』の中に含まれるスパイスの温め効果について説明します。

1)ターメリック
『カレー』のメインとなるスパイス。
『カレー』の黄色はこのターメリックの色です。
漢方、生薬ではウコンと呼ばれます。
熱帯、亜熱帯に生息するショウガ科の植物です。
肝機能の改善、抗菌作用、健胃作用、代謝亢進、結構促進、
糖尿病や高血圧など生活習慣病の改善などの効用があります。
動物実験で、黄色の色素成分であるクルクミンには
腫瘍増殖抑制効果が認められています。

2)シナモン
抗菌、発汗、健胃、血行促進作用。

3)ジンジャー
発汗、抗炎症、血行促進。

4)カルダモン
消化促進、口臭予防、脂肪燃焼作用。

5)クミン
食欲増進、強壮、生理不順の改善効果。

6)クローブ(別名 丁子 ちょうじ)
消化機能の促進、腹部の痛みの緩和。

7)コリアンダー
消化促進、鎮静効果。

『カレー』には、
体によいとされる効能を持つスパイスが豊富に含まれています。

ここからは完全に私見となります。
『カレー』には注意することがいくつかあります。

市販のカレーのルーはかなりのものが『トランス脂肪酸などの有害油脂』
を含みあまりお勧めできません。

また『ターメリック』はとりすぎると肝障害を起こす可能性があります。

よく飲み会前に飲むと良いとされる『ウコン』のサプリメント。
常用するのは考えた方が良いかもしれません。

知人で『ウコン』入りドリンクを常用して体調不良に陥り、
中止させたところ改善したものがいます。

私は普段から極力『トランス脂肪酸などの有害油脂』を避けています。
市販のカレーを食べると体調が悪化したり便秘になることがあります。

最近ではスパイスを買ってきて
本格的なカレーを自宅で作る方が増えているそうです。

1)ターメリック(ウコン)
2)クミン(クミンシード・クミンパウダー)
3)コリアンダー(パクチー)
4)カレー粉
5)レッドチリパウダー

この5種類があれば簡単に家庭で手作りカレーができるとのことです。
こちらをお勧めします。

私は朝ご飯にターメリックを少量入れた少し黄色いご飯をいただいています。
この程度の量ではエビデンスがないのですがアルツハイマー予防のためです。
認知症は避けたいが肝障害は困る小心者の私です。

『ニキビ患者さん』で冷え症の方は多いです。
『 「 冷え知らずの腸をつくる食べ物 」
  トランス脂肪酸等を含まない手作り「カレー」』
を意識的に取り入れて『腸内環境改善』をはかりましょう。
『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。
[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】
『 「 腸 活 」で「ニキビ改善」
〜(36)腸内環境を改善するひと工夫〜

冷え知らずの腸をつくる3つの食べ物
「 (2)トランス脂肪酸等を含まない手作り「カレー」 」』

  • ・ 医師の『小林弘幸先生』の本
      『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
      『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
      『腸を整える』という項目を発展させ、
      『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ・ 前回の『シナモンジンジャー』に続いて
      『カレー』でさらにお腹を温める工夫について考えます。
  • ・『カレー』は、腸を温め、腸の働きを活性化させるメニュー。
       30種類以上のスパイスによる効能です。
  • ・ 日本薬科大学の丁宗鐡教授の研究では
       スパイスを豊富に使った本物のカレーを食べることで
       冷え症の女性は食後90分経過後も体温が高いまま維持されました。
  • ・ ターメリックは『カレー』のメインとなるスパイス。
      『カレー』の黄色はこのターメリックの色。
      漢方、生薬ではウコンと呼ばれるショウガ科の植物。
      肝機能の改善、抗菌作用、健胃作用、代謝亢進、結構促進、
      糖尿病や高血圧など生活習慣病の改善などの効用がある。
      動物実験で、黄色の色素成分であるクルクミンには
      腫瘍増殖抑制効果が認められる。
  • ・ 『カレー』には注意点がいくつかあります。
      市販のカレーのルーは『トランス脂肪酸などの油脂』を含み
      あまりお勧めできません。『ターメリック』はとりすぎると
      肝障害を起こす可能性があります。
  • ・ 1)ターメリック(ウコン) 
      2)クミン(クミンシード・クミンパウダー)
      3)コリアンダー(パクチー)
      4)カレー粉
      5)レッドチリパウダー
      の5種類があれば簡単に家庭で手作りカレーができます。
      こちらをお勧めします。
  • ・ 『  「 冷え知らずの腸をつくる食べ物 」
         トランス脂肪酸等を含まない手作り「カレー」 』
      を意識的に取り入れて『腸内環境改善』をはかりましょう。
  • ・ 『ニキビ改善』はもちろん、
       健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その188」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

ヒゲダンの新曲『アポトーシス』は
メンバーの藤原さんが一年ほどかけて作り上げた力作です。
その過程については様々な記事や動画が出ています。

節目の30歳を前に
28歳の後半から29歳後半にかけてコロナ禍の時代を睨みつつ
生と死について真剣に向き合って完成した素晴らしい楽曲です。

私の論文が医学雑誌に掲載が決定したのが27歳後半。
医学博士号を授与されたのが28歳の誕生日を迎えたすぐ後のことです。

偶然とはいえ面白いですね。

初めて聞いた時、暗さが漂うイメージだった『アポトーシス』。

でも20回位リピート再生した頃から

『 アポトーシスで
  寿命を全うして穏やかな死を迎えることができるものは幸せである。
  悔いを残しながら不幸にも突然に死を迎えるものも多い。
  誰でも確実に死ぬのだから今を一生懸命生きろ 』

と励まされているような気がしてきました。

『アポトーシス』は穏やかな死ばかりではありません。

大学院で私はリンパ球や癌細胞などの継代培養をしていました。
順調に細胞が増えていく途中である時期になると
一斉に細胞が死滅することがあるのです。

死滅した細胞を詳しく調べると
それらの細胞は『アポトーシス』の特徴を示していました。
これも『アポトーシス』なのです。

これから世の中は大量死に向かうという予測があります。

そんな世の中だからこそ
私は後悔しないように生きようと考えています。

次回も、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』
について考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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