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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2019年2月20日配信)

第174回『「 腸 活 」で「ニキビ改善」(10)腸内環境を改善するひと工夫 ~『 副交感神経優位の「休まるお風呂の入り方」を実践する 』~

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

北海道の冬。

冬の仕事の一つが除雪です。
私の診療所は郊外型のため、駐車場は広いです。
大体40台分くらいの規模です。

最近は大雪が連続することが多く、
次回の大雪を想定しながら除雪する必要があります。

院長とはいえ、
診療時間以外は24時間『雪かき職人』として働きます。

除雪は5種類の除雪用具を状況に応じて使いわけ、
短時間で効率よくきれいに仕上げるために働きます。

除雪業者も開業以来のなじみの業者さん。
大型ブルドーザーを駆使して数センチ単位で職人技を発揮。
きれいな除雪に協力してくれます。

ある日の夜10時位のことです。
除雪が終わって放心状態で満天の星空を眺めていた時のことです。

『クアッ クアッ』と鳥の大きな鳴き声が、
南西の方角から聞こえました。

3羽の首長の大きな翼を持つ鳥は、
当院の直上を優雅に飛翔。
東北の方角へ飛び立って行きました。

3羽はそうです!
特別天然記念物の『丹頂鶴』でした。

昼間に1羽が飛ぶ姿を二度みたことはありますが、
3羽は初めて。
多分家族の群れだったのでしょう。

お札(夏目漱石の千円札)や折鶴などでも知られる『丹頂鶴』。
縁起が良いものの代表です。

神様が雪かきご苦労という意味で私に下さった
『ご褒美』のように思えました。

そうそう。

『自分へのご褒美』は大切ですね。

頑張った自分に対して息切れしないように
『自分へのご褒美』
を適度にあたえると更に頑張ることができます。

適度な『自分へのご褒美』が
『他人に優しくできる』ことにもつながります。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 28年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる
 「実践」的な「情報」を数多く提供。
 「継続」して読むことが「自分へのご褒美」となり
 「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を28年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
  https://www.tokachi-media.com/content/column
 をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

前回は、
『 腸 活 』における『腸内環境を改善するひと工夫』として、
『 出掛ける前にきれいなトイレで用を足す 』
 ことで『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。

今回は、
『 副交感神経優位の「休まるお風呂の入り方」を実践する 』
ことで『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。

『入浴』は大切ですね。
清潔を保ちストレスの解消にもなります。

でも、実際のところは
日々何となく、大きな疑問を持つことなく『入浴』している
というのが実情なのではないのでしょうか。

推奨される入浴法を知り、
『入浴』のメリットを最大限に享受できるようにするには
どうすればいいか考えます。

つい最近の例ですが、
『入浴』の仕方を変えることで、
患者さんの症状が良くなったことがありました。

それは『お湯の温度を下げる』ということでした。

たまたまアトピー性皮膚炎の患者さんのお母様から
『息子はお風呂の温度を高くして長風呂するのが好き』
という話を聞いたのです。

まじめに通院されているのに、
小さいながら皮膚のトラブルが次から次へと出てきて
難儀していた患者さんです。

『お湯の温度を41~42度から、39~40度程に下げる』
ようにお願いした所、
症状は少しずつおさまり皮膚トラブルは減少しました。

最近の研究によると
『熱い湯に入浴すると、
 体温が急激に上がってかえって体を傷める』
ことがわかったそうです。

通常、私たちが熱を測るのは、体の表面の『皮膚体温』です。
もう一つ、
外科手術を行うときなどに重視される
『深部体温』というものがあり、
『直腸温』ともよばれます。

小林先生は、
39度と42度の湯温のお風呂を用意し、
それぞれ10分間、被験者に入ってもらい

イ)深部体温
ロ)血液の状態

についてどのような影響があるかをみる実験を行いました。

イ)深部体温 については

39度の場合はゆっくり上がり

42度の場合は急激に上がり、あっという間に40度に到達

したそうです。

ロ)血液の状態 については

39度の場合は、
血液はさらさらと流れていましたが、

42度の場合は、
汗のかき方も激しく、脱水症所も進行し
血液の流れはどろどろ

という結果となりました。

高齢者が自宅で突然亡くなるとき、
その場所は断トツで『お風呂』が多いそうです。

高齢者ほど熱い湯が好きな傾向にある上、
脱水症状に陥っても気づきにくく、
血液どろどろ状態で脳梗塞などを起こすことが多いためです。

こうした危険は高齢者に限らず、
くたくたに疲れ切っていた場合や、
お酒を飲んでいれば同様の状態におちいります。

私の場合、
学会などに出席するためホテルに宿泊することがあります。
少し熱めのお湯が好みのため湯温を上げて長風呂を楽しむ
ことが多いです。
また、バスタブでうとうとすることもあり
気づいたら寝てしまっていることもありました。
これはすぐ止めないといけませんね。

便秘やお腹の張りを改善するためには、
交感神経の興奮を鎮めて副交感神経の働きを良くする
必要があります。

そこでお勧めなのが、『 半身浴 』です。
『 39~40度くらいのぬるま湯にゆっくりつかることで、
  代謝が促進されて腸への血流も良くなり、
  たまった老廃物が排出 』
されます。

小林先生が、
一日の終わりに副交感神経を優位にし、
血流を促進するために、
ご自身で行っている入浴法は以下の通りです。

1)心臓に遠いところ(手足など)からかけ湯をする
2)39~40度のお湯に約5分、首まで全身つかる
3)みぞおちまでの『 半身浴 』に変えて約10分つかる
4)計15分であがって、一杯の水を飲む

いくらぬるめのお湯でも、
あまり長い時間入れば体に負担がかかります。

湯船につかっている時間は15分以内が良いとのこと。

お風呂で失われた水分の補給をし、
老廃物の排出を促すために、一杯の水は必ずとりましょう。

正しい入浴法を実践することは大切ですね。
健康を維持するばかりでなく命を守ることにつながります。

ニキビ患者さんの場合、
よく相談されるのが背中や胸のニキビです。

『お風呂で湯船に首までつかってますか?』と聞くと、
多くのニキビ患者さんは、
『シャワーのみ』とか『風呂は時々』
と答える方がほとんどです。

体の中でも、特に胸の中央や背中は皮脂腺が多く、
ニキビができやすい部分です。

ニキビを防ぐためには、肌を清潔に保つことが大事です。

ニキビが腫れているなど、こすらない方がいい場合は、
シャワーを浴びるだけでも皮脂はかなり落ちます。

『 入浴時には、ゆっくりと15分程度お湯につかり、
  湯気にあたりながら毛穴を広げて、
  固形石鹸をよく泡だてて洗い、
  汗と一緒に皮脂と汚れを流しましょう。 』

『 副交感神経優位の「休まるお風呂の入り方」を実践する 』ことで
背中や胸のニキビでお悩みの『ニキビ』患者さんは
『ニキビ改善』につながります。

『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】
『「 腸 活 」で「ニキビ改善」
(10)腸内環境を改善するひと工夫

~『    副交感神経優位の
「休まるお風呂の入り方」を実践する 』~

  • ■ 医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
    『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ■ 今回は、
     『 腸 活 』における『腸内環境を改善するひと工夫』として
     『 副交感神経優位の「休まるお風呂の入り方」を実践する 』
      ことで『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。
  • ■ 便秘やお腹の張りを改善するためには、
      交感神経の興奮を鎮めて副交感神経の働きを良くする
      必要があります。
  • ■ そこでお勧めなのが、『半身浴』。
      39~40度くらいのぬるま湯にゆっくりつかることで、
      代謝が促進されて腸への血流も良くなり、
      たまった老廃物が排出されます。
  • ■ 小林先生が、
      一日の終わりに副交感神経を優位にし、血流を促進するために、
      ご自身で行っている入浴法は以下の通りです。

      1)心臓に遠いところ(手足など)からかけ湯をする。
      2)39~40度のお湯に約5分、首まで全身つかる
      3)みぞおちまでの『半身浴』に変えて約10分つかる
      4)計15分あがって、一杯の水を飲む
  • ■ 体の中でも、特に胸の中央や背中は皮脂腺が多く、
      ニキビができやすい部分です。
  • ■ 入浴時には、ゆっくりと15分程度お湯につかり、
      湯気にあたりながら毛穴を広げて、固形石鹸をよく泡だてて洗い、
      汗と一緒に皮脂と汚れを流しましょう。
  • ■ 『副交感神経優位の「休まるお風呂の入り方」を実践する』
      ことで、背中や胸のニキビでお悩みの『ニキビ』患者さんは
      『ニキビ改善』につながります。
  • ■ 『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

「落ち穂 その158」

子供の頃、
『丹頂鶴』といえば釧路湿原でしかみられないものと思っていました。

ところが、ここ1~2年自分の診療所にいながら、
その飛翔する姿を確認できるようになりました。

生息数が順調に増加しているため、
環境省は2016年7月、
給餌などの保護増殖事業を将来的に終了する方針を示しました。

とはいえ、
3羽の丹頂鶴の優雅な飛翔を観察できたことは縁起が良いです。

今年も何とか健康で頑張っていきたいと素直に思いました。

次回も、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』の続きを考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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