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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2019年8月20日配信)

第180回『 「 腸 活 」で「ニキビ改善」~(14)腸内環境を改善するひと工夫~「 食物繊維 」を多く含む主食を工夫して腸内環境改善 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

最近見ることが多くなったのが『邦画』です。
何も考えないで気軽に楽しめる作品が多くあります。

タイトルを見て
『 何だこれ? 』と怖いもの見たさ(笑)で見たのが
     『 君の膵臓をたべたい 』
という映画でした。

実際は、
膵臓の病気で余命短い女子高校生と
その秘密を知った男子同級生とのラブストーリー。

昔、流行した『世界の中心で、愛をさけぶ』
という作品に似ているかもしれません。

私の心に残ったのが、
『 ─ 私たちは皆、自分で選んでここに来たの。
  ─ 偶然じゃない。運命なんかでもない。
  ─ 君が今まで選んできた「選択」と、
   私が今までしてきた「選択」が私たちを会わせたの。
   私たちは自分の意思で出会ったんだよ 』
という台詞です。

私はメルマガで何度か偶然とは思えない自身の経験を
ご紹介させていただきました。

例:第126回・第152回のコラムなど
(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

これまで私は、
『 「偶然」のなせるわざで「たまたまのこと」に過ぎない 』
と考えていました。

でもそれらは
『 自分の「選択」という意思により起きていること 』
であるということに気づかされました。

そうそう。

私が『選択』した内容を、
読者の方に『選択』されてお読みいただいているのが
このコラムです。

少しでも読者の皆様のニキビ改善につながるように
これからも続けたいと考えています。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 29年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
  「ニキビ改善」を意識できる
  「実践」的な「情報」を数多く「選択」して提供。
  「継続」して読むと
  「選択」していただいた読者の皆様には
  「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を29年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの 『ニキビ改善』につながります。

前回は、
『「 食物繊維 」の違いを知って 腸内環境を改善 』し、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。

今回は、
『「 食物繊維 」を多く含む「主食」を工夫して 腸内環境を改善 』
し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。

『食物繊維』は、
人間の消化酵素では消化されない食物中の成分の総称です。

『食物繊維』は腸を刺激して蠕動運動を活発にしたり、
腸内の善玉菌を増やしたりするなど、
腸内環境を改善するための様々な働きをします。

エネルギーのもととなる炭水化物を抜くと、
食物繊維不足につながります。

極端な糖質制限ダイエットは、
食物繊維の点からもお勧めできません。

主食とされる穀物や麺類には、
どのくらいの食物繊維が含まれているのかを知り、
主食からも食物繊維を多くとり
腸内環境を改善することが大切です。

主食とされる穀物や麺類には、
どのくらいの食物繊維が含まれているのか、
それぞれの含有量を
     『 F・I 値(ファイバー・インデックス値)』
を用いて比べることができます。

『 F・I 値 』とはどんなものでしょうか?

イ)食材100g当りのカロリーと食物繊維量(総量)の比率です。

ロ)『 値が小さいほど
  食物繊維量が多く、
  カロリーが低い 』
   つまり

  『 F・I 値が小さいほど
   効率よく食物繊維を取ることのできる食材 』

ということになります。

( 算出方法 )

100g当りのカロリー/ 100g当りの食物繊維総量
  (kcal)  (不溶性+水溶性/g)

A: 白い主食

1)白米
  168kcal 食物繊維総量 0.3g 『 F・I 値 560』

2)食パン
  264kcal 食物繊維総量 2.3g 『 F・I 値 115』

3)うどん(ゆで)
  105kcal 食物繊維総量 0.8g 『 F・I 値 131』

  『 「 白い主食 」

   F・I値が大きく効率よく食物繊維を取ることには向かない食材』
  です。

でも、個人的には白米やうどんは大好物。
腹持ちが良く、これがないと外来はこなせません。

B: 黒い主食

1)玄米
  165kcal 食物繊維総量 1.4g 『 F・I 値 118』

2)ライ麦パン
  264kcal 食物繊維総量 5.6g 『 F・I 値 47』

3)そば(ゆで)
  132kcal 食物繊維総量 2.0g 『 F・I 値 66』

          * 全て100g当りの数値

  『 「 黒い主食 」

    F・I値が小さく効率よく食物繊維を取ることができる食材』
  です。

ライ麦パン、そばも好きで時々は食べます。
そばは食べ過ぎるとアレルギーが起き易いので、
老後に食べるためにがまんしています。

知人のおじいさんが、
毎日そばばかり食べていてじんましんを発症、
亡くなる前には制限した例を見ているからです。

玄米食は私はお勧めしません。
第44回、第45回で解説していますが、
『フィチン酸』が体内に必要なミネラルも排出してしまう傾向が
あるためです。

外来の患者さんで『玄米食』を行っている人を時々みかけますが、
血色が悪い方が多いのです。

また、第177回の小学校の同窓会の出席者7名の内、
血色が悪い様に思えたC君は『玄米食』を実践していました。

アップルの創業者のスティーブ・ジョブスの死にも、
玄米食を含むマクロビオティックが関係しているのではないか
という意見もある位です。
(果物の取り過ぎという説もあるそうです。)

私は、
イ)朝は大麦と雑穀入りの発芽玄米
ロ)昼は白米
ハ)夜は炭水化物は控え気味にする
という感じで、ご飯中心の食生活を送っています。

イ)の雑穀は、12種がブレンドされたものを最近取り入れました。
なかなか美味しいです。

個人の事情や好みもありますから、
総合的に判断して工夫することが大切ですね。

『主食』に含まれている『食物繊維』の量を知り、
『食物繊維』を多く含む『主食』を工夫して腸内環境を改善すると、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんは
『ニキビ改善』につながります。

『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】
『   「 腸 活 」で「ニキビ改善」
 ~(14)腸内環境を改善するひと工夫~
「 食物繊維 」を多く含む主食を工夫して腸内環境改善  』

  • ■ 医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
     『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ■ 今回は、
     『「 食物繊維 」を多く含む「主食」を工夫して腸内環境を改善 』
      し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。
  • ■ エネルギーのもとの炭水化物を抜くと食物繊維不足につながるため、
      極端な糖質制限ダイエットはお勧めできません。
  • ■ 主食とされる穀物や麺類にはどのくらいの食物繊維が含まれているのか、
      それぞれの含有量を
     『 F・I 値(ファイバー・インデックス値)』
      を用いて比べることができます。
  • ■『 F・I 値 』
      イ)食材100g当りのカロリーと食物繊維量(総量)の比率。
      ロ)『 F・I 値 』が小さいほど
          効率よく食物繊維を取ることのできる食材といえる。 
  • ■ A)白米  『 F・I 値 560 』
      B)食パン 『 F・I 値 115 』
      C)うどん(ゆで) 『 F・I 値 131 』
      など 『「 白い主食 」

      F・I 値が大きく 効率よく食物繊維を取ることには向かない食材 』。
  • ■ A)玄米  『 F・I 値 118 』
      B)ライ麦パン 『 F・I 値  47 』
      C)そば(ゆで) 『 F・I 値  66 』
      など 『「  黒い主食 」

      F・I 値が小さく 効率よく食物繊維を取ることができる食材 』。 
  • ■ 個人の事情や好みもあり、総合的に判断して工夫することが大切。
  • ■『主食』に含まれている『食物繊維』の量を知り、
     『食物繊維』を多く含む『主食』を工夫して腸内環境を改善すると、
      便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんは
     『ニキビ改善』につながります。
  • ■『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その164」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

平成から令和へと移り変わる連休。

私は日本から1万キロ離れた異国の地を
幸運にも旅行することができました。

計画が固まったのが3月。
旅行に詳しいひとの全面的なサポートにより
奇跡的に安上がりな計画が実現しました。
(乗り継ぎ便+エコノミー席+安ホテルのお気楽旅行です。)

行かない理由なら99個、
行く理由なら
『今後20年働いているときにはもう行くことはできない』
の一つだけという旅行でした。

町医者の私は、
連休といっても保険の請求業務その他で2~3日は取られ
長期休暇をまるまる休むことはできません。

また、
今回の休みはその前後で業務に大変大きな負荷がかかるので
本当に憂鬱でした。

それでも覚悟を決めて、
『旅行する』という『選択』をして旅立ちました。

摩天楼の街についたその日、夕食を食べるために
現地のガイドさんの後ろをとぼとぼ歩いていると、
『 おっ おい 大石? いつ来た? 』
と後ろから声をかけられました。

長旅の疲れと異国での緊張から
ものごとを深く考えることができなかった私は
『 おっ D!  今、着いたばかりだよ 』
と気のない返事しか返すことができず、
その場ですぐ別れてしまいました。

D君は小学校の同級生、高校の同期生で塾も一緒。
地元に戻ってきて開業している医師の友人です。
第177回で紹介した小学校の集まりにも出席していました。

本当はあり得ない『奇跡的な出会い』なのですが、
その時はなぜか『よくあること』(笑)
と思ってしまっていました。

これは、私とD君の『選択』の結果としかいえません。

冒頭の『 君の膵臓をたべたい 』という映画を見たのは、
実は帰国する飛行機の中でのことでした。

スマホにダウンロードした映画の画面を見終わって数十分後、
私は無事に羽田空港に到着。

旅行するという『選択』により、
一生忘れられない経験ができました。

次回も、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』の続きを考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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