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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2017年7月20日配信)

第155回 『「マインドフルネス」を取り入れて「ニキビ改善」(1)〜「ネガティブ」な言葉が1日7万語頭の中に降り注ぐとは?〜』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

母校の皮膚科の教授が新任され、
就任記念祝賀会に出席させていただきました。

しばらく母校出身の教授が続いていましたが、
今回は信州大学から宇原久先生が新たに就任されました。

皮膚癌研究の専門家で、
バリバリ仕事をされるスケールの大きな先生です。

教授の就任記念祝賀会に出席するのは、3回目。

医局時代の諸先生方にお会いすることも出来て、
旧交を温めました。

そこで気づいたことは、皆さんとってもお若いということ。
実際は60代の先生が多いのですが、10歳以上も若く見えます。
昔、年齢以上に老けて見えた先生も若返っているように見えたから
不思議です。

毎日、診察していると、
私と同年代の患者さんにお会いすることが多くあります。

実際は40代から50代なのですが60代と勘違いすることもあり、
年齢以上に老けていて驚くことがあります。
カルテの生年月日を再確認することも1度や2度ではありません。
この差は一体どこからくるのでしょうか?

『皮膚科』ということもあり、
肌の状態が悪いと患者さんへの説得力がなくなるため、
普段から養生に努めているという側面もあるでしょう。

でも、本当のところは、
諸先生方は、知的好奇心が旺盛で常にいろいろな刺激を受け、
『切磋琢磨(せっさたくま)』(#)
されていることが大きいのでしょう。

(#)
《「詩経」衛風・淇奥から。「琢磨」は玉・石などを打ち磨く意》
学問をし、徳を修めるために、努力に努力を重ねること。
また、友人どうしで励まし合い競い合って向上すること。

そうそう。
『切磋琢磨』は大切ですね。

様々な試行錯誤を繰り返しながら『切磋琢磨』していくことで、
『ニキビ』の本質をしっかり捉えることができるようになり、
『ニキビ改善』というゴールに早く到達できます。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 26年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿などの
 「ニキビ改善」に重要な良い刺激となる情報を数多く提供。
 「継続」して「切磋琢磨」してチャレンジするうちに
 「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を27年やってきた中で非常に重要と思い標語に したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を
『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連した
こと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )
にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

(バックナンバーは
  https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

前回は、『調理法』の工夫により食品中の『アクリルアミド』を削減して
『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。

今回からは、『マインドフルネス』という、
アップルやグーグルなどでも取り入れられ、
社員のストレスコントロールに役立っている方法を活用して
『ニキビ改善』につなげる方法を考えていきたいと思います。

5月の連休に、本屋さんの店頭でふと手に取ったのが
『100歳時代の人生マネジメントー長生きのリスクに備える』
(石田 淳 著)
でした。

私は現在51歳。
小心者の私。
心配なことは尽きません。

この本には、
長寿時代を生きて行くために必要なエッセンスが満載されています。
オススメの本です。

その中の 第3章 メンタルをどう支えるか
で取り上げられていたのが、『マインドフルネス』です。

その前段階の知識である『認知の歪み』を良く理解することが
『ニキビ改善』に役立つと思われ、取り上げさせていただきます。

私たち人間は、絶えず余計な『マインドトーク(自動思考)』
にさらされているそうです。

その数、1日におよそ7万語!。
意識するしないにかかわらず、大量の言葉が頭の中に降り注いでいて、
しかも、そのほとんどがネガティブなものだとか。

一生懸命前向きに取り組んでいるはずなのに、
『ああ、いやだ』『どうしよう』『間に合わない』『くそ』
などネガティブな言葉が浮かんでは消えるのだそうです。

『ネガティブなマインドトーク』は、
さまざまな『認知の歪み(誇張的で非合理な思考パターン)』
を引き起こします。

それにより、私たちは、
『私は好かれていない』『私はついていない』『私はあまり能力がない』
など、根拠なく自分を低く評価してしまうのだそうです。

ところが、脳は思っていることをそのまま受け取る習性があるため、
『そうか、私は好かれていないのだ』
という『認知の歪み』をさらに拡大させます。

それによって『ネガティブな結果が誘導』され、あたかも、
『歪んだ認知が正しい』ものであるかのように思ってしまうのです。

そして、
『更にマインドトークがネガティブなものになって認知が歪む』
という悪循環に陥ってしまうそうです。

これについて、私は全肯定します。

私の場合、ちょっと油断すると、診療中でも食事をしていても、
『ネガティブなマインドトーク』が私の頭の中に降り注ぎます。

『疲れた。いきなり仕事やめてしまおうかな』
『診療終わっても、◯◯◯◯がある。やってられない』
『腹八分目はもうやめだ。死ぬ程、食べてみたいなあ〜』
こんな感じです。

ニキビについては、以下のような展開が想定されます。

イ)『ニキビ』を改善しようと努力していると、
  『ニキビはよくならない』『良くなってもまた悪化するだけ』
   などの『ネガティブなマインドトーク』が1日に7万語も
   頭に浮かんでは消える。

ロ)『ネガティブなマインドトーク』は、
   さまざまな「認知の歪み(誇張的で非合理な思考パターン)」
   を引き起こし、
  『私のニキビは治らない』
  『私はついていないからニキビも治らない』
  『私はニキビを良くする能力がない』など、
   根拠なくニキビ改善を遠ざけるように自分を低く評価してしまう。

ハ) 脳は思っていることをそのまま受け取る習性があるため、
  『そうか、私のニキビは改善しないのだ』
   という認知の歪みをさらに引き起こし、
  『ニキビ改善』を不可能にしてしまう。

これは非常に納得できる考え方ですね。

『悪魔のようなマインドトーク』の存在に気づくことができたのは、
非常にラッキーだと思います。

『はいはい。またネガティブなマインドトークが降ってきたよ。
 きちんと認知できているから大丈夫。
 誰でもあることなんだから。
 心配ごとのほとんどは起らないんだから、心配するだけ無駄。
 やることはやっているのだから、これでだめならしょうがない。
 気にしない。気にしない。
 風呂に入って早く寝よ!』

こんな風に考えを転換できるはず。

『生きるということはネガティブなマインドトークと戦うこと』
そう私は思います。

『ニキビ改善』には、
『 長年ネガティブなマインドトークにさらされて歪んでしまった
 「ニキビは改善しない」という誤った認知を正していくこと 』
が大切です。

『 「ネガティブなマインドトーク」の存在を理解して、
  「ニキビは改善できる」ということを正しく認知する 』

ことが『ニキビ改善』につながります。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『「マインドフルネス」を取り入れて「ニキビ改善」(1)
〜「ネガティブ」な言葉が1日7万語頭の中に降り注ぐとは?〜』

  • ■ 『マインドフルネス』という、
       アップルやグーグルなどでも取り入れられ、
       社員のストレスコントロールに役立っている方法を活用して
      『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。
  • ■  その前段階の知識である『認知の歪み』を良く理解することが
      『ニキビ改善』に役立ちます。
  • ■  人間には、『ああ、いやだ』『くそ』といった1日に約7万語の
      『マインドトーク(自動思考)』という大量のネガティブな言葉が
       頭の中に降り注いでいます。
  • ■ 『ネガティブなマインドトーク』は、
      『認知の歪み(誇張的で非合理な思考パターン)』を引き起こし、
       以下のように『ニキビ改善』を邪魔している可能性があります。
  • イ)『ニキビ』を改善しようと努力していると、
      『ニキビはよくならない』『良くなってもまた悪化するだけ』
       などの『ネガティブなマインドトーク』が1日に7万語も
       頭に浮かんでは消える。
  • ロ)『ネガティブなマインドトーク』は、
       さまざまな「認知の歪み」を引き起こし、
      『私のニキビは治らない』
      『私はついていないからニキビも治らない』
      『私はニキビを良くする能力がない』など、
       根拠なくニキビ改善を遠ざけるように自分を低く評価する。
  • ハ) 脳は思っていることをそのまま受け取る習性があるため、
      『そうか、私のニキビは改善しないのだ』
       という認知の歪みをさらに引き起こし、
      『ニキビ改善』を不可能にしてしまう。
  • ■ 『生きるということはネガティブなマインドトークと戦うこと』
       そう私は思います。
  • ■ 『ニキビ改善』には、
      『 長年マインドトークにさらされて歪んでしまった
      「ニキビは改善しない」という誤った認知を正していくこと 』
       が大切です。
  • ■ 『 「ネガティブなマインドトーク」の存在を理解して、
      「ニキビは改善できる」ということを正しく認知する』
       ことが『ニキビ改善』につながります。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その139」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

『ネガティブなマインドトーク』の存在を理解することができたのは、
『ネガティブ思考の私』にとっては、とっても意味がありました。

『ネガティブなマインドトーク』と折り合いをつけることで、
考え方も変わり、新しいことに取り組む際の助けになりますね。

次回は、
『マインドフルネス』の実践法について考えたいと思います。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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