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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2013年4月20日配信)

第104回 『上機嫌(ごきげん)で過ごしてニキビ改善(1)  ~ちょっとしたことに「感謝」して上機嫌(ごきげん)に~』

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 最近、うれしかったこと。それは、『雀(すずめ)』が戻ってきたことです。

 ちょうど1年前の第92回のコラムで、最近みかけなくなった『雀(すずめ)』について書きました。
 『ひょっとして冬場にえさを求めて移動しているだけかな?』と考えたり、『夏になればもどってくるはず』などと期待していました。結局、昨年は現れませんでした。

 ところが、忘れもしません。連日零下20℃近くまで気温が下がっていた、2月4日の月曜日。朝、出勤すると、ちょっと懐かしい『チュンチュン』というさえずりが聞こえてきました。
 最初は、幻聴かと思った『雀(すずめ)』のさえずり。その日から連続して今日にいたるまでほぼ毎日聞いています。診療所の屋根や電線にとまっている様子を観察することも度々です。
 当たり前の日常が少し戻ってきたことに『感謝』です。

 そうそう、ちょっとしたことにも『感謝』できる生活は素晴らしいですね。

 私達が、地球上で日々生きていることは、奇跡的なこと。日々の生活は決して、良いこと、楽しいことばかりではありません。『ストレス』で『ニキビが悪化』することも良くあります。  ちょっとしたことにも『感謝』するような生活を送っていると、気持ちが前向きになり、ストレスも減って『ニキビ改善』につながります。

 『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。このメルマガが、月に1度必ず届く、『ニキビ改善の安定剤』になれば幸いです。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を23年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、ニキビ改善に欠かせない、おいしい野菜と果物をいただく一工夫として、私が実践した『50℃洗い』の『野菜編』に続いて、『果物編』について、お話しさせていただきました。

 今回は、『上機嫌(ごきげん)で過ごしてニキビ改善』と題して、小さなことに『感謝』して『上機嫌(ごきげん)で過ごす』ことで『ニキビが改善する』ことについて、お話しさせていただきます。

 最近の日めくりカレンダーで、お気に入りの名言が

  『仕事をするときは上機嫌でやれ』 (ワグナー 1835~1917 ドイツの経済学者)

です。

 しかめっ面で仕事をしていても、良い結果は得られないもの。最近、私はこの言葉の持つ意味が本当に良く実感できるようになりました。

 『上機嫌(ごきげん)で仕事をする』には、『自分の意識を上機嫌(ごきげん)』にするように『仕事の環境を整える』ことがまず必要です。
 しかし、もっと必要なことが、小さなことにも『感謝』する心を忘れないことだと思っています。

 毎日、診察していて気づくこと。それは、ニキビ患者さんを含めて、皮膚科を受診する患者さんは、どんなに年齢や男女差、症状の重症度に違いがあっても、ちょっとしたことにも『感謝』できる患者さんは『早く改善』するということです。
 例をあげると、以下の良悪2パターンがあるように思えます。

『感謝・改善・上機嫌(ごきげん)Aコース』

イ)(私やスタッフの治療・説明)
ロ)→(患者さんの努力)
ハ)→(患者さんの皮膚症状の改善)
ニ)→(患者さんに『感謝』の気持ちがあらわれ、
    患者さん自身が『上機嫌(ごきげん)』に)
ホ)→(私やスタッフが『感謝』を受け止めて『上機嫌(ごきげん)』に。
    更に力を入れて治療・説明)
ヘ)→(患者さんも更に努力してますます改善し、『上機嫌(ごきげん)』に)

といった感じです。
 その逆は、こんな感じです。

『感謝なし・改善少・不機嫌(ふきげん)Bコース』

ト)(私やスタッフの治療・説明)
チ)→(患者さんの努力:
    することはするが何でも否定的にとらえ、
    『不機嫌(ふきげん)』な感じが診察中もありあり。
    髪型・爪・生活スタイルなどについてアドバイスしても
    『できません』『いじってません』『忙しい』と即座に反論。)
リ)→(患者さんの皮膚症状の改善:
    少し改善しても満足度は非常に低い。再診しないことも多い。)
ヌ)→(患者さんに『感謝』の気持ちはなく、再診の指示を守らず、
    再び症状が悪化してから再診したりする。
    『全然ダメ』『さっぱり良くならない』などと語り、
    患者さん自身は相変わらず『不機嫌(ふきげん)』のまま)
ル)→(私やスタッフもモチベーションが下がり、
    他の治療法を紹介したりやアドバイスをしにくくなる。
    その結果『不機嫌(ふきげん)』な気持ちになってしまう。
ヲ)→(患者さんもあまり努力せず、極端に悪化しないと受診しなくなり
    『不機嫌(ふきげん)』の度合いがますます強くなる。)

これはまさしく『負の連鎖』ですね。

 私は、『感謝・改善・上機嫌(ごきげん)Aコース』の患者さんが多いと、『上機嫌(ごきげん)で仕事をする』ことができます。

 しかし、『感謝なし・改善少・不機嫌(ふきげん)Bコース』の患者さんの破壊力は本当に大きいです。たった一人でも、時にメガトン級のことがあります。
 一日ばかりか、かなりの長い間『不機嫌(ふきげん)で仕事をする』ことになることがあります。

 それを避ける、私の『駆け込み寺』ともいうべきなのが、以下の言葉です。

『人間関係でのストレス対処法』(檜垣祐子教授による)
  人に振り回されない
  人は思い通りにならないと心得る
  人に過剰な期待をしない
  人に配慮し過ぎず、自分がしたいことを優先する
  自分で自分を褒める

 これは、成人のアトピー性皮膚炎患者さんが、ストレスで症状が悪化することを避けるためには心身面でのケアが必要であるとする、東京女子医科大学付属女性生涯健康センターの檜垣祐子教授のアドバイスの言葉です。

 いきなり上記の『人間関係でのストレス対処法』を読むと、『本当のことだけど、ちょっと冷たく、利己主義じゃない?』と思われるかもしれません。
 でも、この言葉を、自分なりにかみ砕いて解釈して、自分の内面を守る事はとっても大切なことです。

  『ニキビが職場が変わってから悪化してしまって』
  『家族の問題が気になって。ニキビになるなんて思ってもみませんでした』
  『ストレスのせいなんでしょうかねえ。ニキビできました』
最近、こんな外来での会話が増えています。

 私は、元々は、『感謝』できない人間でした。でも、最近は、
  『今日も3回ごはんがいただけてよかった。感謝!』
  『ちょっと風邪気味だったけど、診療が終わった。感謝!』
  『おっ。昔よく聞いていたCDが4枚組で2千円!感謝!』
といった具合に、ちょっとしたことに『感謝』できるようになりました。

 仕事量は相変わらず多いですが、仕事をするときは上機嫌(ごきげん)でするように努めています。ストレスは減ってきていますし、ストレス耐性度も上がってきています。

 ちょっとしたことに『感謝』することで、ストレスが減って、『上機嫌(ごきげん)』に過ごすことが『ニキビ改善』につながる。
 心がけ一つで、誰でも取り組める良い方法ですね。

 今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その88」

『上機嫌(ごきげん)で過ごしてニキビ改善(1)
  ~ちょっとしたことに『感謝』して上機嫌(ごきげん)に~』

 
  • •小さなことに『感謝』して『上機嫌(ごきげん)で過ごす』ことで『ニキビが改善する』ことについて、お話します。
  •  
  • •『仕事をするときは上機嫌でやれ』
    ワグナー(1835~1917 ドイツの経済学者)の言葉です。
  •  
  • •ニキビ患者さんを含めて、皮膚科を受診する患者さんは、どんなに年齢や男女差、症状の重症度に違いがあっても、ちょっとしたことにも『感謝』できる患者さんは『早く改善』することが多いです。
  •  
  • •『感謝・改善・上機嫌(ごきげん)Aコース』
    『感謝なし・改善少・不機嫌(ふきげん)Bコース』
    の良悪2パターンがあるように思えます。
  •  
  • •檜垣祐子教授による
      人に振り回されない
      人は思い通りにならないと心得る
      人に過剰な期待をしない
      人に配慮し過ぎず、自分がしたいことを優先する
      自分で自分を褒める
    『人間関係でのストレス対処法』は大切です。
  •  
  • •この言葉を、自分なりにかみ砕いて解釈して、自分の内面を守る事はとっても大切。
  •  
  • •ちょっとしたことに『感謝』することで、ストレスが減って、『上機嫌(ごきげん)』に過ごすことが『ニキビ改善』につながります。
  •     
  • •心がけ一つで、誰でも取り組める良い方法です。
 

 当地も気温が上がって、春らしくなってきました。

 春の朝に『雀(すずめ)』のさえずり。
 当たり前と思っていたものがなくなると寂しいものですね。でも、それが戻ってきたときの喜びは本当に大きい。

 当地の桜の開花はゴールデンウイーク中です。何気ない生活を日々送れることに『感謝』です。

 次回は、『上機嫌(ごきげん)で過ごしてニキビ改善』の続き、上機嫌(ごきげん)で過ごす工夫などについて考えてみたいと思います。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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