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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2021年7月20日配信)

第203回『「 腸 活 」で「ニキビ改善」~(34)腸内環境を改善するひと工夫~ 腸に良い習慣 「オリゴ糖リッチ」を取り入れて「 ニキビ改善 」』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

何気にYouTubeの動画を見ていた時の話です。

私と同年代の大学教授と女性アナウンサーの二人で収録されている
番組です。

番組の冒頭話題になったのが女性アナウンサーの髪型。

ロングの髪型を30cmもバッサリ切っていきなりショートに大変身。

番組のセットが変わって、
コロナ禍で暗い気持ちになりがちなので気分転換を図ったということでした。

大学教授は『素晴らしい!』とニヤニヤして大喜び。

見ていた私も心から『美人度倍増!ショート最高!』と思いました。

当科の患者さんも髪型をショートにする方が明らかに増えて来ました。

気分が明るくなりニキビも改善。
いいことずくめです。

『 髪型を変える・工夫する 』

『ニキビ改善』ばかりか
コロナ禍で暗くなりがちな気持ちが明るくなる行動ですね。
私の仕事は
『ニキビに悩む世界』にやむを得ずお住まいの読者が
『ニキビ無しの世界』にお住まいになれるように
橋渡しする役目。
『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 31年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。
  自ら進んで「髪型を変える・工夫する」行動が
 「ニキビ改善」につながり
 「ニキビ無しの別世界」への道が開ける定期便   』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。 (思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を30年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

第199回からは、最新の研究からわかってきた
『 積極的に取り入れたい 腸によい 6つの習慣 』
について考えています。

前回は、
『 腸に良い習慣
 「 植物性乳酸菌(プロバイオティクス)リッチ 」
 を取り入れて『腸内環境改善』をはかり
 「 ニキビ改善 」をはかる方法 』について考えました。
          今回は、
『 腸に良い習慣「 オリゴ糖リッチ 」
 を取り入れて『腸内環境改善』をはかり
 「 ニキビ改善 」をはかる方法 』について考えます。
『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まついけつねお)著 PHP新書
という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣などがわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

健康な腸を保つために、
最近話題になっているのが『プロバイオティクス』です。

『プロバイオティクス』とは、
『 善玉菌を増やして、腸内環境をよくする微生物や菌、
  またそれらを含む食品 』
のことです。

1989年に
『腸内細菌のバランスを変えることにより
 宿主に保健効果を示す生きた微生物』
として『プロバイオティクス』が定義されました。

この代表例が前回とりあげた『乳酸菌』などです。

それに対して
『ヒトの消化酵素には分解されずに大腸まで到達し、
 「プロバイオティクス」を
 腸管内で選択的に増殖活性化させる物質』
という『プレバイオティックス』という考えも存在します。

『プレバイオティックス』の代表例が『オリゴ糖』です。

『オリゴ糖』はなぜ腸にいいのでしょうか?

『オリゴ糖』は『糖類』の分類上の名称です。

『糖類』は、

イ)『単糖類』:
キシロース、ブドウ糖(グルコース)
果糖(フルクトース)、ガラクトース

ロ)『オリゴ糖類(少糖類)』:
ショ糖(スクロース)、麦芽糖(マルトース)
乳糖(ラクトース)、パラチノース、マルトオリゴ糖、
イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラフィノース
  乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)

ハ)多糖類:
デンプン、デキストリン、セルロース、マンナン

に分類されます。

『オリゴ糖』は、
炭水化物を分解したときに、
これ以上分解できない最小単位である『単糖類』
ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)などが
2〜20個結合したものです。

自然界に見られる『オリゴ糖』としては、

ショ糖(スクロース)やラフィノース:
サトウキビやビート(てんさい)、大豆に含まれる

乳糖(ラクトース):
牛乳などの乳中に含まれる

フラクトオリゴ糖:
タマネギやゴボウ、ニンニクなどに含まれる

パラチノース:
蜂蜜中に含まれる

などがあります。

『オリゴ糖』はさまざまな穀類、豆類、野菜、果物などに含まれます。
また、現在では工業的に生産されているものも多いそうです。

『オリゴ糖』を摂ると、
腸内の善玉菌が増殖し、腸内環境がよくなるといわれます。

『オリゴ糖』の特性は以下の3つです。
イ)難消化性(低エネルギー性)

 A. マルトオリゴ糖のように、
   小腸など消化管で消化吸収されてエネルギーになるもの

 B. 消化管(小腸)では吸収されず大腸に到達し、
   腸内細菌によって発酵され、酢酸、プロピオン酸、
   酪酸などの短鎖脂肪酸となって吸収されてエネルギーとなる
   『難消化性オリゴ糖』

 に大別されます。有用なのは B.『難消化性オリゴ糖』です。

ロ)非う蝕性 

 う蝕とは虫歯になること。『オリゴ糖』を摂ると虫歯になりにくいです。

ハ)整腸作用

 ①『ビフィズス菌』を増やす効果をもつ『難消化性オリゴ糖』
 100種類以上、100兆個以上の細菌からなるヒトの腸内細菌叢。
 乳児から老人まで、健康維持に特に重要なのが『ビフィズス菌』。

 『難消化性オリゴ糖』は、
 小腸で消化吸収されずに大腸まで到達し、腸内細菌によって消化されます。

『ビフィズス菌』は『難消化性オリゴ糖』をよく利用して増加するため、
『難消化性オリゴ糖』は『ビフィズス菌』を増やす効果があります。

『難消化性オリゴ糖』は、
普通に摂っても小腸での分解・吸収はないと考えられ、
『インスリンを放出させない糖質』です。

②腸内細菌(代表:ビフィズス菌)が『難消化性オリゴ糖』を利用して
 整腸作用を行うメカニズム

 腸内で腸内細菌(代表:ビフィズス菌)は『難消化性オリゴ糖』を代謝
        ↓
 酪酸(大腸粘膜の栄養分)、酢酸等を生成
        ↓
 腸のぜん動運動を促進し腸管内を酸性に保つ
        ↓
 排便力が改善し腐敗産物ができるのを防ぐ

『オリゴ糖』(難消化性オリゴ糖)は腸内環境の改善に効果アリです。

松生先生は、
慢性便秘症の患者さんにラクトスクロース(乳果オリゴ糖)を投与して
下剤服用量や下剤服用効果の減少を確認。

『 オリゴ糖は便秘に効くことが証明された 』とされています。

当科の『ニキビ患者さん』で、
砂糖を紅茶に入れる代わりに『オリゴ糖』を使用するようになった方
がいらっしゃいます。

ダイエット目的から始めたそうです。
効果は少しずつあらわれ便秘は改善、
ニキビも外用剤のみでのコントロール可能となってきました。

十勝地方はてんさい(ビート)栽培が盛んで、製糖会社があります。
製糖会社が開発した『オリゴ糖』関連の商品がスーパーなどで
市販されています。

価格は少し高めですが、 便秘やニキビ改善につながると考えると高くはありません。

当然ながら、大豆、タマネギ、ゴボウ、ニンニクなどから
『自然のオリゴ糖』を摂るのが最も大切です。
腸に良い習慣 『 オリゴ糖リッチ 』
を意識的に取り入れて『腸内環境改善』をはかりましょう。
『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。
[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『   腸に良い習慣 「 オリゴ糖リッチ 」 を取り入れて 「 ニキビ改善 」     』

  • ■  医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
     『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • ■  今回は 腸に良い習慣「 オリゴ糖リッチ 」
      を取り入れて『腸内環境改善』をはかり
     「 ニキビ改善 」をはかる方法について考えます。
  • ■  『プロバイオティクス』は、
     『 善玉菌を増やして、腸内環境をよくする微生物や菌、
       またそれらを含む食品 』でその代表は『乳酸菌』。
  • ■  『 ヒトの消化酵素には分解されずに大腸まで到達し、
       「プロバイオティクス」を
       腸管内で選択的に増殖活性化させる物質』
      である『プレバイオティックス』という考えも存在します。
  • ■  『プレバイオティックス』の代表例が『オリゴ糖』。
  • ■ 自然界に見られる『オリゴ糖』としては、
     ショ糖(スクロース)やラフィノース:
     サトウキビやビート(てんさい)、大豆に含まれる

     乳糖(ラクトース):牛乳などの乳中に含まれる

     フラクトオリゴ糖:タマネギやゴボウ、ニンニクなどに含まれる

     パラチノース:蜂蜜中に含まれる などがあります。
  • ■ 『オリゴ糖』の特性は以下の3つ。

    イ)難消化性(低エネルギー性)

     消化管(小腸)では吸収されず大腸に到達。
     腸内細菌によって発酵され、酢酸、プロピオン酸、
     酪酸などの短鎖脂肪酸となって吸収されてエネルギーとなる
     『難消化性オリゴ糖』が有用。

    ロ)非う蝕性 『オリゴ糖』を摂ると虫歯になりにくい。

    ハ)整腸作用
     腸内で腸内細菌(代表:ビフィズス菌)は『難消化性オリゴ糖』を代謝
            ↓
     酪酸(大腸粘膜の栄養分)、酢酸等を生成
            ↓
     腸のぜん動運動を促進し腸管内を酸性に保つ
            ↓
     排便力が改善し腐敗産物ができるのを防ぐ

    『オリゴ糖』(難消化性オリゴ糖)は腸内環境の改善に効果アリです。
  • ■ 松生先生は、
     慢性便秘症の患者さんにラクトスクロース(乳果オリゴ糖)を投与して
     下剤服用量や下剤服用効果の減少を確認。
  • ■  ダイエット目的で紅茶に『オリゴ糖』を使用した『ニキビ患者さん』が
      便秘が徐々に良くなりニキビ改善につながった例も。 
  • ■  大豆、タマネギ、ゴボウ、ニンニクなどから『自然のオリゴ糖』を摂る
      のが最も大切。
  • ■ 腸に良い習慣『 オリゴ糖リッチ 』
     を意識的に取り入れて『腸内環境改善』をはかりましょう。
  • ■『ニキビ改善』はもちろん、
     健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その186」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

髪を切る人が増えているそうです。 手荒れが悪化した美容師さんや理容師さんの患者さんが急に増えてきたので
聞いたところ

『正直、今まではコロナで暇でした。
 ここ1ヶ月で一気にお客様が増えた感じがします。
 短めを希望される方が多いんです。
 流行りですかね?』
と何人も同じ答えが返ってきました。

皆さんスッキリしたいのは同じですね。

次回も、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』
について考えます。
それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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