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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2020年3月20日配信)

第187回 『「 腸 活 」で「ニキビ改善」~(21)腸内環境を改善するひと工夫~ 「マクロビオティクス」 や 「ベジタリアン食」はやめて便秘改善』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

新型肺炎ウイルス、地震や年金問題…。
『不安』に思うことって多いですよね。

私もどちらかというと心配性で
病気で診療できなくなったらどうしようとか
あんまり人に迷惑かけないで寿命を全うしたいけど大丈夫かな?
などと『不安』は尽きません(笑)

そんなとき思い出して何とか楽観的に努めようとする名言が

『現実の恐怖は心に描く恐怖ほど怖くない』(シェークスピア)

です。

『不安』と『恐怖』は紙一重。
『恐怖』は怖くない『大丈夫』、『大丈夫』、
何とかなるさと努力していくうちに
『恐怖』は消えて『不安』は解消。

『不安』を乗り越えた先には、
『成長』という果実が待っています。

そうそう。
『不安』を乗り越えて『成長』することは大切ですね。
『不安』を『成長の糧』として考えることができれば
『恐怖』も吹き飛びます。

『ニキビ治療』でも
患者さんには『不安』がつきもの。
『不安』を『成長の糧』として努力すれば
『恐怖』も吹き飛び『ニキビ改善』につながります。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 29年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を
  数多く提供して「不安」を解消。
 「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を29年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第165回からは、
医師の『小林弘幸先生』の本
『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(KKベストセラーズ)
の最終章にある『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
『腸を整える』という項目を発展させ、
『 腸 活 』について独自に掘り下げ、
『ニキビ改善』につなげる方法を考えています。

『 腸 活 』とは、腸内にいる細菌の『善玉菌』を強化し、
正常な腸内環境を保って健康な体を手にいれることです。

『 腸 活 』が上手く行くと、
便秘がちな女性や下痢気味の男性の『ニキビ』患者さんの
『ニキビ改善』につながります。

前回は、
『        「 赤身肉 」
  を食べるときは「大腸がん」に注意して腸内環境改善  』 
し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えました。

今回は、
『 「マクロビオティクス」 や 「ベジタリアン食」
        はやめて便秘改善         』
し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。

『腸に悪い14の習慣 「これ」をやめれば腸が若返る』
 松生恒夫(まつきつねお)著 PHP新書
という本を最近読みました。

4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科の先生が
お書きになられた本です。

14の腸に悪い習慣がわかりやすく取り上げられていて、
実体験に基づく優れた内容が満載です。
これはぜひご紹介したいと考えました。

『マクロビオティクス』は、
玄米や野菜、海藻、自然食品などを中心とした食事法です。
1960~70年代のアメリカでは、
ヒッピー文化や東洋文化の流行などがあり、
久司道夫氏によってアメリカで啓蒙されたものです。

アメリカの歌手マドンナや、
俳優トム・クルーズなど数多くのセレブたちが実践。
アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズも実践。
ジョブズは極端なときは果物しか摂らなかったそうです。

『マクロビオティクス』では具体的にどんなものをどの程度、
摂取するのがよいと提唱されているかをまとめます。

イ)精製していない「全粒」穀物
  玄米、大麦、雑穀、オートミール、とうもろこし、
  ライ麦、そば、うどん、パスタなどを50%摂取。
ロ)日本が位置する温帯産の野菜を25~30%バランス良く摂取。
ハ)豆(豆製品)・海藻を10~15%摂取。
ニ)スープとして
  5~10%味噌汁やおすましなどには季節の野菜、豆などを入れる。

上記以外に週に数回摂取してもよいものとして

a)魚介類:養殖でない白身魚、川魚
b)季節の果物:オーガニックな温帯性の旬のもの
c)種実類:ナッツと種子類、クルミ、松の実、栗、ごまなど
d)デザート:麦あめ、米あめ、甘酒などの甘味を用いて
  果物や寒天などを合わせ、砂糖は使わない
e) 飲み物:ミネラル分の多い良質の水で淹れたお茶で、
  刺激や香りの強すぎないもの。番茶、麦茶など

があげられています。

ほとんど仙人のような食生活ですね。
私には無理です。

松生先生のクリニックには、
このような食事をまじめに続けた結果、
慢性的な便秘になってしまった人が時折来院されるそうです。

松生先生によると、
慢性便秘症の症状のひどい人が、
治そうと思って『マクロビオティクス』を実践すると、
逆にお腹の症状は悪くなり、
お腹が張った感じや硬便(便が硬くなること)が悪化してしまう傾向
が見られるそうです。

つまり、
『玄米食を中心とした食事を摂ることで便秘が悪化してしまうことが多い』
そうです。

その理由は、
『マクロビオティクス』を実践すると、
全粒穀物や温帯性の野菜を大量に摂ることになり、
食物繊維の中でも、
水に溶けない不溶性食物繊維が多くなってしまうからです。

そこで、不溶性食物繊維をたくさん摂る場合は、
同時に多くの水分を摂取するか、
水に溶けている水溶性食物繊維をバランスよく摂ることが必要
となってきます。

『マクロビオティクス』の実践には注意が必要です
と松生先生。

腸の運動が低下傾向にある
慢性便秘症の人がマクロビオティクスを実践する場合は、
酸化マグネシウム製剤という薬を飲みながら、
様子を見ておこなうことが望ましいとのことです。

また、マクロビオティクスで推奨されている
野菜・穀物の摂取量はかなり多いため、
タンパク質、脂肪などをもう少しバランスよく摂取すべき
と松生先生。

長年にわたってマクロビオティクスを続けている患者さんは、
手足の筋肉が落ちている人が多いそうです。
これは摂取する食事内容のタンパク質量が、
現代人にとっては極端に少ないためと考えられるとのこと。

これは私も経験があります。
ニキビ患者さんの中には痩せて顔色が悪い人が少なくありません。

教育水準が高い方が多く、塾の講師をされていたりします。
食事内容を聞くと『玄米食』をされている方がほとんどです。

『お米屋さんは「玄米食」をやらないそうですよ。
 玄米の栄養成分のフィチン酸は、
 カルシウム・リンなどのミネラル吸収を邪魔して身体に悪いですよ』
と一応説明しますが、『玄米信者』なので覆すのは難しいです。

自分のやり方を貫くタイプの方が多く、
治療の効果も上がりにくいです。

栄養状態の良い、顔色の良いニキビ患者さんの方が
治療効果が上がりやすいと感じます。

そういえば、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズも
顔色が悪く痩せていました。

膵臓癌を患っていたこともありますが、
会見の度にどんどん酷くなっていくので本当に心配していました。

松生先生は、
全粒穀物や野菜、果物はふんだんに摂りながら、乳製品や肉類は少なく、
魚介類やオリーブオイルを積極的に摂取する『地中海型食生活』や、
従来の『和食(家庭食)』の方が続けやすく、さらに腸にもよい
とお考えです。

『 「マクロビオティクス」 や 「ベジタリアン食」
        の実践には注意が必要です。 
           玄米食を中心とした食事を摂ることで便秘が悪化したり、
    タンパク質不足から手足の筋肉も落ちて
        顔色も悪くなります。
    ニキビが悪化し治療に抵抗することも多いです。

      続けやすく、さらに腸にもよい
  「地中海型食生活」や従来の「和食(家庭食)」が
      「ニキビ改善」につながります。  』

『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『 「マクロビオティクス」 や 「ベジタリアン食」
はやめて便秘改善』

  • 医師の『小林弘幸先生』の本
     『自律神経が整えば休まなくても絶好調』の最終章にある
     『効果絶大な休み方のコツ25』の一つ
     『腸を整える』という項目を発展させ、
     『 腸 活 』を独自に掘り下げています。
  • 今回は、
     『 「マクロビオティクス」 や 「ベジタリアン食」
             はやめて便秘改善         』
      し、『ニキビ改善』につなげる方法を考えます。
  • 『マクロビオティクス』は、
      玄米や野菜、海藻、自然食品などを中心とした食事法。
      ヒッピー文化や東洋文化が流行した1960~70年代のアメリカで
      久司道夫氏によって啓蒙。
  • アメリカの歌手マドンナや、俳優トム・クルーズなど
      数多くのセレブたちが実践。
      アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズも実践。
      ジョブズは極端なときは果物しか摂らず。
  • 『マクロビオティクス』を実践すると、
      全粒穀物や温帯性の野菜を大量に摂ることになり、
      水に溶けない不溶性食物繊維が多くなり便秘が悪化することが多い。
  • ニキビ患者さんの中には『玄米食』を行い痩せて顔色が悪い人が
      少なくない。治療効果が上がりにくいのも特徴。
  • 『 「マクロビオティクス」 や 「ベジタリアン食」
            の実践には注意が必要です。
                玄米食を中心とした食事を摂ることで便秘が悪化したり、
        タンパク質不足から手足の筋肉も落ちて
            顔色も悪くなります。
        ニキビが悪化し治療に抵抗することも多いです。
  •       続けやすく、さらに腸にもよい
      「地中海型食生活」や従来の「和食(家庭食)」が
          「ニキビ改善」につながります。  』
  • 『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。
  • ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その171」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

    今だに学生時代の『悪夢』を見ることがあります。

    高3の大学受験の時や大学の進級試験など。
    テスト絡みがほとんどですね。

    大学受験と大学の進級試験がなぜかダブルで襲ってくるという
    『恐怖の大王』のような『悪夢』を見ることもあります。

    最近の研究では、
    『悪夢』を見ると、
    現実の世界で直面する『恐怖』にうまく対処するのに役立つ可能性がある
    という研究結果が発表されています。
    (ジュネーブ大学(スイス)睡眠・認知研究所の
     Lampros Perogamvros氏らが「Human Brain Mapping」
     10月30日オンライン版に発表)

    夢の中で『恐怖体験』をすると、
    現実に体験したときに『恐怖心』を抑えられるようになる
    と考えられるそうです。

    このような現象を利用した不安障害の新しい治療法の開発
    につながる可能性があると期待されています。

    確かに私の場合、この『悪夢』をみた後は
    『昔の方が精神的にも辛く未来が全く見えない状況だった。
     今はご飯は3食食べているし、
     多少のことではくじけない準備もしている。
     大丈夫。大丈夫。もう少し頑張ろう!』
    となって仕事に取り組むことができます。

    先日、当科は開業23周年を迎えました。
    時々『悪夢』をみてメンタルを強化して頑張りたいと思っています。

    次回も、
    『 腸内環境を改善するひと工夫 』の続きを考えます。
    それでは。

    おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
    (昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
    平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
    平成14年とかち美白研究所開所。
    日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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