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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2013年9月20日配信)

第109回 『ニキビといじめについて(2) 〜時間が解決してくれます!生きましょう!〜』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 帯広・十勝はもうすっかり秋の装いです。日が落ちるのも早くなり、朝晩はすっかり冷え込んできました。時々夏のことを思い出します。

 今年の夏の思い出はといえば、8月13日の『十勝川花火大会』です。今年で63回を数え、18万人を動員する全国的にも有名な花火大会です。

 私が子供の頃のことです。家族からは『家族で花火大会、花火大会ってうるさいのはお前だけだね。 十勝川の河川敷はすぐ近くなんだから、わざわざ行かなくても、家の2階や大通りの道でちょっと見ればいいだろう』といわれていました。私は一人で花火を見に行きました。
 花火会場の河川敷は、確かに混雑していましたが、花火が始まってからでかけても、十分楽しむことができました。
 当時アナウンスは普通のおじさん(失礼!)が担当。時折『オヤジギャグ』を交えながら、2時間位のプログラムを、ローカル色たっぷりに解説していました。
 私はアナウンスがない、『タイムス花火大会』(現在は廃止)が好きでした。

 現在は、DJが進行を担当。レーザー等の最新機器も導入されています。良い観覧場所を確保しようと、当日の朝早くから人が河川敷を埋め尽くす状況です。
 恐れをなした私は、河川敷に近づくどころか、花火大会の前後は他所へ行ってしまうようになりました。

 今年は、午後6時に診療終了後、地元を離れ、近場へ小旅行に出かけました。帯広駅午後7時35分発の列車に乗車。列車の進行方向右側に座りました。
 発車後、数分して窓の外をみると打ち上げ花火が連続して夜空に大輪の花を咲かせていました。本当にきれいの一言。夏の疲れも吹き飛んでしまう程でした。
 7年振りの花火大会は、数分の『偶然』が織りなす印象深いものとなりました。

 そうそう、『偶然』と思えることも、重なれば『必然』になります。『ニキビ改善』には、『偶然』知ったり経験したことが役立つことがあります。あとから振り返ると、これは『必然』だったと気づくこともあります。
 『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。このメルマガが、月に1度必ず届く、『ニキビ改善につながる、今は「偶然」でも、将来は「必然」となる情報を提供する定期便』になれば幸いです。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を23年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、『ニキビといじめ』、特に『お母さんの理解』の大切さについてお話させていただきました。
 今回は、『ニキビといじめ』について、僭越ながら、一つだけアドバイスできたらと考え、お話させていただきます。

 今も昔も、『いじめ』が新聞やニュースで取り上げられない日はありません。

 診療していると、学生さんと思われる方が、平日の学校のある時間帯、『ニキビ』や『アトピー性皮膚炎』などで定期的に受診されていることもあります。
 よっぽどのことがない限り、事情は聞きませんが、『いじめ』が背景にあるのではないかと感じることもあります。

 また、学校ばかりか職場などでも『いじめ』はよくあることです。男女関係なく、ストレスを抱え、仕事を辞めたりする『ニキビ』患者さんもいらっしゃいます。
 前回、取り上げた『死にたい』とつぶやいた『ニキビ』患者さんの例もありました。

その中で、私が言った

      『 先生も正直言って、
       「死にたい」と思ったことは何度もあるよ。
        でも、今は生きていて良かったと思ってるよ。
        長い人生いろいろあるさ。 』

と関連して、少し昔話をさせて下さい。

 私の小学校1、2年生の頃の話です。私は早生まれで、体は小柄でした。
 クラスにスポーツ万能で大柄なA君という友達がいました。

 当時はプロレスが大ブーム。大柄なA君は、私を格好のプロレス技の練習台と考えていました。休み時間に時々、技をかけられました。
 あまり詳しくは覚えていませんが、グルグル回されて目が回ったこともありました。これは幼いながらかなり堪えました。

 事情を知った私の母が、A君に『うちの子供は、小さいからプロレスの技はかけないでね。仲良く遊んでね』という内容の手紙を書いてくれました。
 以後、私はA君から、プロレス技をかけられなくなり、普通の友達付き合いをするようになりました。
 この時のことは今でも時々話題になります。母には今でも感謝しています。

 あれから40年経ちました。

 私もA君も、同じ医師となりました。大学も科は違いますが、お互いの動向は風の便りで知っています。

 患者さんの中には、診察中
『 先生はA君と小学校の時、同じクラスだったんでしょ。
  A君は私のすぐ近所に住んでいたんですよ。
  二人ともお医者さんになって良かったね 』
と言って下さる方もおられ、びっくりしてしまいます。

 『時間』が解決してくれることは多いです。

 『時間がそれを軽減し和らげてくれないような悲しみは一つもない』
 (キケロ BC106〜BC43 ローマの政治家)

 日めくりカレンダーで見つけた、お気に入りの言葉がこれです。本当だと思います。

 最近、読んで大変感動した本があります。
  『思い通りにいかないから 人生は面白い』曾野綾子 著(三笠書房)
です。
(現在、『女性の生き方』で論争をよんでいる曾野綾子さん。私は育ちの良い家柄に生まれた恵まれた作家と思っていましたが、そうではなかったようです。壮絶な生き様には圧倒されます。)

 その中で『ダメなら尻尾を巻いて引き下がる』という項があります。以下で引用します。

『つらい目にあいそうになったら、縮こまり、顔を伏せ、聞こえないふりや眠ったふり、時には病気のふりもして、時間を稼ぐ。正面切って問題にぶつかる勇気と、そんなふうに卑怯に逃げまくる姿勢の両方がないと、人生は自然に生きられないんです。私は、その方法で何度、嵐を避けてきたことか。』

 不登校の学生さんや、退職された社会人の方は、これを既に半分実践されていることになりますので少し安心です。
 問題は、正面切って問題にぶつかる勇気のみをもつ人だと思います。勇気以外の選択肢を持たないで、自殺してしまうのは実にもったいない。

 『ニキビ』でお悩みの方、『いじめ』で毎日がつらく感じられる方へ。

『 時間が悲しみを和らげてくれます。
  つらい目にあったら、縮こまり、顔を伏せ、
  聞こえないふりや眠ったふり、時には病気のふりもして、
  時間を稼ぐのも作戦の一つ。
  時間が解決してくれます!生きましょう! 』

 これが、私ができるただ一つのアドバイスです。

 [今回のポイント]は以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その93」

『ニキビといじめについて(2)
~時間が解決してくれます!生きましょう!~』

 
  • •今回は、『ニキビ』と『いじめ』について、僭越ながら、一つだけアドバイスできたらと考えました。昔話を交えてお話させていただきました。
  •  
  • •学校ばかりか職場などでも『いじめ』はよくあります。男女関係なく、ストレスを抱え、仕事を辞めたりする『ニキビ』患者さんもいらっしゃいます。
  •  
  • •前回、取り上げた『死にたい』とつぶやいた『ニキビ』患者さんの例もありました。私も実はつらいことがありました。
  •  
  • •『 時間が悲しみを和らげてくれます。つらい目にあったら、縮こまり、顔を伏せ、聞こえないふりや眠ったふり、時には病気のふりもして、時間を稼ぐのも作戦の一つ。時間が解決してくれます!生きましょう! 』
  •  
  • •『ニキビ』でお悩みの方、『いじめ』で毎日がつらく感じられる方へ。これが、私ができるただ一つのアドバイスです。
  

 昔の思い出は、芋づる式に思い出すもの。普段は全く意識することはありません。
 小学校の同級生A君について、初めての診察の際、いきなり患者さんから切り出された時は、本当に驚きました。

 この患者さんは数年前から何度も受診されていらっしゃいます。でも、プロレス技のことを思い出したのは、ついこの間です。

 『時間』の経過は、いろいろなことを和らげてくれるものなのですね。『忘れること』ができるのが、人間の良い所なのかもしれません。  曾野綾子さんの本は、本当にお勧めです。これからの時代を生き残っていくために必読の書だと思いました。

 次回は、もう一度『ニキビ』と『いじめ』について考えます。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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