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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2020年8月20日配信)

第192回『「 マスクニキビ 」について ~ マスクによる肌トラブルを解決して 「マスク必須の世界」をしぶとく生きましょう~  』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 

こんにちは。 とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

毎日、多くの郵便物や送付物が手元に届きます。

ふと手に取った広報誌『広報 おとふけ 7月号』の裏表紙をみると
日テレアナウンサー『滝 菜月さん』の記事が掲載されていました。

『滝 菜月さん』(以下 滝アナ)は、
地元音更町の『音更町応援大使』です。

『滝アナ』は中学校は当科の裏にある共栄中学校を卒業。
高校の後輩でもあります。

素朴な感じで好感度も高いアナウンサーです。

昼休みに、時々『滝アナ』が出演する番組をみることもあります。
おっとりした感じでなんだか癒されつつ、
後輩に負けないようにと『刺激を受け』、
午後の診療も頑張ろうと考えます。

記事の内容は、

『18歳で上京したときには、ホームシックにはなりませんでした。
 コロナ禍で仕事がキャンセルになり
 8年遅れでホームシックになりました。

 お母さんから地元特産のアスパラガスや柳月のお菓子が届きました。
 音更町とお母さんが恋しく感じられました。

 ホームシックになったお陰で改めて音更の魅力に気がつきました』

という内容でした。

地方でのんびり生活していると、
『刺激』がなく惰性で生きてしまいがちです。

そんな中、
地方を離れて厳しい環境で努力する姿を見せて
『刺激』を与えてくれる『滝アナ』のようなひとの存在は貴重です。

『ニキビ治療』にも『刺激』は必要です。

漫然と治療していて良くならなかった『ニキビ』が
ちょっとした『刺激』を受けて、
『ニキビ改善』につながることも少なくありません。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 30年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿など
 「ニキビ改善」を意識できる「情報」を数多く提供。

 

  その「情報」が「刺激」となり
 「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。
ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を29年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

(バックナンバーは
 https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

つい半年ほど前には予想していなかった世界が 私たちの前に現れました。

『マスク必須の世界』です。

新型コロナウイルス感染拡大に伴って、
マスクは生活上の必需品となりました。

外来を小走りする私も常にマスクをするようになり、
マスク着用時間は1日のかなりの時間を占めることになりました。

夏場にかけては
『マスクの長時間着用による肌トラブル』
が特に目立ってきています。

以下で、私の経験を交えて解説します。

1)症 状

代表的な症状は、
『ニキビ』や赤み、肌や口唇の乾燥です。

部位別には、以下のような症状を認めます。

イ)マスクがあたる範囲:摩擦による、かぶれ、湿疹、かゆみ

 

ロ)マスクの中で吐いた息がたまる部分:『ニキビ』や赤み

ハ)鼻のまわりなど:脂漏性皮膚炎に似た、赤み、ざらつき、湿疹など

ニ)口唇:「口なめ病」「舌なめずり皮膚炎」に似た症状がみられます。
   「口唇が乾燥」して「くり返し舌でなめるという物理的刺激」
   が加わることによって口の周囲が荒れる皮膚病です。
   無意識になめていることが多く、医師に指摘されて気づきます。

2)原 因

 

 イ)マスク着脱を繰り返すことによる摩擦

マスクを何度も付けたりズラすことにより肌に摩擦が生じ、
角質層が剥がれやすくなってバリア機能が低下します。

肌の潤いが空気中に離散してしまい、
ダメージを受けやすいデリケートな状態になります。

 ロ)マスク着脱による温度や湿度の変化

マスクの内側は呼気によって湿度が高く、
ニキビの原因にもなる雑菌が繁殖しやすい環境になります。

そのような過剰な湿度環境下にいると、
角質層の水分量は皮膚にとっての最適な水分量よりもさらに増え、
特殊な水分環境の状態となります。

特に、顔の角質層は他の部位に比べて薄いため、
過剰な湿度環境への変化によって
皮膚が外界環境の影響を受けやすい状態になります。

さらにマスク着脱時には、
マスク装着によって増えた水分が急激になくなることにより、
皮膚のバリア機能にも悪影響がおよびます。

これらの理由から、

『 マスクを繰り返し着脱することによって
    温度差・湿度差が発生し、
  肌を健康に保つバリア機能や保湿機能が乱れることが
  ニキビや乾燥の原因になる 』

   わけです。

3)対 策 方 法

イ)マスクの素材や大きさ

マスクの素材や大きさを調節して、
自分に合ったマスクを探すことが重要です。

顎の周囲や鼻などにニキビができている時には、
擦れないような工夫が必要です。

マスクが顎のラインにぴったりとフィットしている場合も、
擦れによってニキビが出来やすかったりします。

素材については、不織布のマスクよりも
『 ガーゼマスクの方が肌に優しい 』
と言われています。

通気性の良いガーゼのマスクで、
肌触りの良い柔らかい素材のものを使用します。
こまめに洗濯し、清潔に保つことも大切です。

『 不織布マスク 』を使う場合は、
『 内側に綿ガーゼを1枚挟んで、毎日取り換える方法 』
があります。
『 上下5ミリほどはみ出させる 』
と、不織布が直接肌に当たりません。
耳のゴムが擦れて、
耳の後ろにカブレや湿疹ができる場合もありますから、
耳ゴムはきつくなく柔らかいものが良いでしょう。
マスクを頻繁に動かしたり、取り外している場合には、
擦れを減らすために動かすのを出来るだけ控えるようにします。

ロ)毎日のスキンケア

肌荒れの予防に有効なのが毎日のスキンケアです。

清潔に保つため、汗や汚れを小まめに拭き取り、
毎日、朝と晩に泡立てた固形石鹸で優しく洗顔しましょう。
洗顔後は化粧水やクリームで丁寧に保湿し、
肌のバリアー機能を高めます。

肌が乾燥しやすい場合には、
手持ちの保湿剤に加えて、
白色ワセリンを上から重ねて塗るなどして保湿を強化します。

a)マスクをつける前に保湿
b)汗をかいたら洗顔
c)洗顔後はすぐ保湿

という
『  a)〜 c)3ステップ マスク用スキンケアサイクル 』
を心がけるのが大切です。

ハ)マスク着用時も欠かせない紫外線対策
マスクをしていると顔が隠れてつい油断しがちになりますが、
マスクに日焼け防止効果は期待できません。
紫外線対策は必須です。

荒れた肌は紫外線に弱く、
ケアを怠るとさらにダメージを受けてしまいます。

UVカット効果のある化粧下地や日焼け止めを使用して
紫外線からしっかり肌を守りましょう。

ニ)心身ともバランスの取れた健康を目指しましょう!

コロナウイルス感染症への不安や慣れない自粛生活、
さらには経済面での心配も重なり、
ストレスが溜まりやすい生活がこれからも続きます。

マスクをしていると必要な水分摂取が難しくなります。
意識的にこまめな水分補給を心がけましょう。

バランスの取れた食事や十分な睡眠などの
インナーケアにも目を向け、
内と外、両方の対策を行うことが大切です。

ホ)マスクトラブルに困ったら早めの皮膚科受診を!

ニキビが出来た場合、
乾燥が続いてカサカサする場合、
肌が赤くなってしまった場合には、
皮膚科を早めに受診するようにしましょう。

早期に治療を開始することで、治りが早くなり、
また跡も残しにくくなります。

6月頃から、
夏型のマスクトラブルによるニキビ患者さんが増えてきています。

こうして総合的にまとめてみると、
大変勉強になりました。

『 マスクによるニキビなどの肌トラブルが急増中です!

症状や対策は人により様々です。

自分にあったマスクを選んで工夫しましょう。

日々のスキンケアに加え
心身ともバランスの取れた健康を目指しましょう。

早めの皮膚科受診も大切です。

マスクによる肌トラブルを解決して
  「マスク必須の世界」をしぶとく生きましょう! 』

『ニキビ改善』はもちろん、
健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『    「 マスクニキビ 」について 

~  マスクによる肌トラブルを解決して
「マスク必須の世界」をしぶとく生きましょう~  』

  • ■  つい半年ほど前には予想していなかった『マスク必須の世界』
      が、私たちの前に現れました。
  • ■  夏場にかけては『マスクの長時間着用による肌トラブル』
      が特に目立ってきています。
  • ■  1)症 状

       代表的な症状は『ニキビ』や赤み、肌や口唇の乾燥。

    イ)マスクがあたる範囲:摩擦による、かぶれ、湿疹、かゆみ
    ロ)マスクの中で吐いた息がたまる部分:『ニキビ』や赤み
    ハ)鼻のまわりなど:脂漏性皮膚炎に似た、赤み、ざらつき、湿疹など
    ニ)口唇:「口なめ病」「舌なめずり皮膚炎」に似た症状。
  •  
  • ■  2)原 因

     マスクを繰り返し着脱することによって
       温度差・湿度差が発生し、
     肌を健康に保つバリア機能や保湿機能が乱れることが
     ニキビや乾燥の原因になる。
  • ■  3)対 策 方 法

    イ)マスクの素材や大きさ

    マスクの素材や大きさを調節して、
    自分に合ったマスクを探すことが重要。

    不織布のマスクよりも
    『 ガーゼマスクの方が肌に優しい 』。
    『 不織布マスク 』を使う場合は、
    『 内側に綿ガーゼを1枚挟んで、毎日取り換える 』。
    『 上下5ミリほどはみ出させる 』と直接肌に当たらない。

    ロ)毎日のスキンケア

    a)マスクをつける前に保湿
    b)汗をかいたら洗顔
    c)洗顔後はすぐ保湿      という
    『  a)〜 c)3ステップ マスク用スキンケアサイクル 』
    を心がける。

    ハ)マスク着用時も欠かせない紫外線対策

    マスクに日焼け防止効果は期待できず、紫外線対策は必須。
    UVカット効果のある化粧下地や日焼け止めを使用。

    ニ)心身ともバランスの取れた健康を目指しましょう!

    意識的にこまめな水分補給を心がけ
    バランスの取れた食事や十分な睡眠など
    インナーケアにも目を向ける。
    内と外、両方の対策を行うことが必要。

    ホ)マスクトラブルに困ったら早めの皮膚科受診を!

    皮膚科の早め受診がお勧め。
    早期に治療を開始することで、治りが早くなり、
    また跡も残りにくくなる。
  • ■ 『 マスクによるニキビなどの肌トラブルが急増中です!

    症状や対策は人により様々です。

    自分にあったマスクを選んで工夫しましょう。

    日々のスキンケアに加え
    心身ともバランスの取れた健康を目指しましょう。
    早めの皮膚科受診も大切です。
    マスクによる肌トラブルを解決して
    「マスク必須の世界」をしぶとく生きましょう! 』
  • ■ 『ニキビ改善』はもちろん、
      健康で前向きな人生を送ることにもつながるよい方法です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その176」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

女子アナには詳しくありません。
最近はアイドル出身?の方が多いためか
新鮮味に欠けるような感じがします。

『滝アナ』は最近垢抜けてきたような感じがします。

将来結婚してもお仕事を続けて欲しいなと思っています。

次回は、
『 腸内環境を改善するひと工夫 』
について再び考えます。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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